538グラムで生まれた娘の細い手首にパパの結婚指輪を… 幾多の難を乗り越え6歳に
トラブル続きの妊娠、出産と超低体重児だったわが子の順調な成長。そこには目に見えない奇跡のような力も…。
妊娠がわかり、飛び上がって喜んだ1組の夫婦。健康だった女性は丈夫な赤ちゃんの誕生を予想していたが、不測の事態により赤ちゃんはペットボトル1本分の重さで誕生した。
妊娠も出産も生命も、赤ちゃんが育つことはそれ自体が「奇跡」だという貴重な話題を、『The Sun』などの海外メディアが報じている。
■妊娠7ヶ月での超早産
イングランドのウエストサセックス州に暮らす、マットさん(33)とルーシーさん(32)のクック夫妻。彼らがこのほど貴重な体験をシェアし、話題になっている。
ルーシーさんは、妊娠25週(妊娠7ヶ月)だった2014年11月に異変が発生。やや西に離れたサウサンプトンのプリンセス・アン病院に転院後、超低体重児で女の子が誕生し、ポピー・クックちゃんと名付けられた。
■妊娠25週で深刻な事態に
ルーシーさんは妊娠中、異常な高血圧とともにけいれんや意識喪失、視野障害を起こすことで知られる「子癇(しかん)」と「妊娠高血圧腎症」を発症。
続いて妊娠25週になると、全妊娠の1%未満、しかし妊娠高血圧腎症の10~20%に発症する、きわめて深刻な「HELLP症候群」を発症した。HELLP症候群は溶血(hemolysis),肝酵素上昇(elevated liver enzymes),血小板減少(low platelet)の英語の頭文字をとったものだ。
■腕の細さは女性の小指ほど
このHELLP症候群は妊娠中に最も警戒するべき救急疾患のひとつで、診断が下るとともに、ルーシーさんは帝王切開での超早産を余儀なくされた。わずか538グラムという体重で誕生した娘の腕は、驚くほどの細さだった。
パパのマットさんは左手の薬指から結婚指輪をはずすと、「お守りに」と女性の小指ほどしかない細い腕へ。するっと通ったことがあまりにも悲しかったが、それがきつくなり、はずさなければならない日が来ることを信じて待ったという。
■幾多のトラブルを乗り越える
新生児にして脳、心臓、肺にトラブルが見つかったポピーちゃんは幾多の手術を必要とし、輸血の回数は5回にも及んだ。しかしプリンセス・アン病院の小児科は最新の医療技術を誇っており、ひとつずつ問題をクリア。
生後3ヶ月を経てポピーちゃんは地元に近いウエストサセックス州ブライトンの病院へと移された。
ポピーちゃんはそこですくすくと成長。医師のお墨付きを得るとついに自宅へ。6歳の今は日々とても元気に過ごしており、友達とバービー人形で着せ替えを楽しみ、学校では算数が得意だそうだ。
■「出産は奇跡」と感じるか
しらべぇ編集部が全国の10~60代の男女1,348名を対象に調査したところ、「全ての出産は奇跡だと思う」と回答したのは全体の50.6%。さまざまな例を多く見聞きするせいか、どの年代でも男性より女性のほうがそう強く感じているようだ。
妊娠、出産、ポピーちゃんの順調な成長は、医学の発展と目に見えない奇跡のような力のおかげだと話すクックさん夫妻。何かに守られて今の幸せがあることに、心から感謝しているそうだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)
対象:全国10代~60代の男女1,789名(有効回答数)