「クシでとかせない頭髪症候群」6歳少女が公表 アインシュタインと同じ特異な髪質
毛幹を輪切りにした断面は、丸ではなく腎臓のような丸いハート型や三角をしている。これが特徴だ。
海外で時おり話題になる、「クシでとかせない頭髪症候群(Uncombable Hair Syndrome、以下UHS)」をご存じだろうか。あの有名な物理学者であるアルベルト・アインシュタイン博士をも「手に負えない」と困らせていた、放射状に広がるゴワゴワな髪質のことだ。
イギリスの6歳の少女も、それに悩む1人。このほど両親が写真を公表し、「この髪質は遺伝子の突然変異によるもの。温かく見守って」と訴えかけた。同国のメディア『Mirror』などが報じている。
■注目を浴びる特殊な髪質
新しくUHSが公表されたのは、フローレンス・パターソンちゃん(6)。タイン・アンド・ウィア州ニューカッスルに暮らす弁護士のカイル・パターソンさん(49)さんと、コンサルタントのジル・ペディ=ジョーンズさん(43)の四女である。
フローレンスちゃんは両親から「どんなときでも誇りと自信を持ち、明るく堂々としているように」と教わってきたためか、スクールでは友達が大勢いる。
しかし一歩町から外に出れば、「髪がめちゃくちゃだね」「ちゃんとクシでとかした?」などと言われ、好奇心から髪を触ろうとする人もいるという。
■お勧めの洗髪方法
フローレンスちゃんの3人の姉であるローラさん(20)、アメリアさん(15)、ハイディさん(12)はいずれも普通の髪質だといい、両親はフローレンスちゃんにのみ特別な洗髪方法を行っている。
お風呂では、シャワーではなくお湯の中に頭を浸しながら洗髪し、仕上げはコンディショナーを入れたお湯にしばらく漬けたままにする。これで翌朝は美しいブロンドのカーリーヘアになるといい、ゴワつく髪に悩む人たちにお勧めの方法だという。
■UHSは意外と多い?
2017年にはアメリカ・ノースカロライナ州のジェイミー・ブラスウェルさんが、当時1歳9ヶ月だった娘のフィービーちゃんについて、また2018年には同フロリダ州のニコール・カベッジさんが、当時5歳の娘イブリンちゃんについて、いずれもUHSであることを公表していた。
かつては「世界でわずか100例」などと報じられていたが、世界各地から新しい報告が続々となされているため、実際は100例どころではないのだろう。公表する人が増えることで、世間の理解が進むことが期待されるという。
■爪の伸び方にも影響
じつは5年ほど前、ドイツの大学研究チームが「UHSの原因遺伝子を複数突き止めた」と発表していた。UHSは生後3ヶ月〜12歳の間に発症し、ケラチンという髪と爪に存在するたんぱく質に作用するため、爪の伸びが異様に早いことも特徴だそうだ。
UHSの場合、毛幹を輪切りにすると丸ではなく腎臓のような丸いハート型、あるいは三角を示すが、加齢とともにしなやかさも出てきて、いずれは落ち着くことが予想されるという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)