列島直撃が予想される台風14号、広範囲での暴風と大雨に注意 気象予報士が解説
台風14号の進路予想が本州直撃に変わった理由とは。東海地方は1日で最大300~400㎜の大雨が降る恐れ。
台風14号の進路予想を見てギョッとした方も多いかもしれません。当初、日本海で温帯低気圧に変わるとみられていた台風14号ですが、本州付近を通過する進路予想図に変わってきました。その理由と注意すべきことを、気象予報士の千種ゆり子が解説します。
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■台風14号が本州直撃に変わった理由
なぜこのような進路予想に変わったかですが、2つの理由があります。ひとつは、東シナ海で再発達した影響で、温帯低気圧化のタイミングが遅れそうであること。次に台風が東シナ海で南に下がったため、その後の進路も南にシフトしたことがあります。
台風は14日まで北上を続けていましたが、次第にゆっくり南東に移動しました。南東に下がったことで水深が深い、かつ、水温が高いエリアに移動し、更に水蒸気を受け取って再発達しました。
台風14号の迷走はきょう16日までで、徐々に東に進路を変え、明日17日午後に九州・中国地方方面に上陸となりそうです。もし福岡県か佐賀県に台風が直接上陸すれば、1951年の統計史上初めてです(過去、再上陸はありました)。
■注意すべきは「広範囲での暴風と大雨」
16日正午現在の中心気圧は990ヘクトパスカルですが、雲の様子をみると、もう少し発達していてもおかしくないような、立派な台風の雲の形を取り戻しています。
この台風の本質は「台風は温帯低気圧になりながら接近すること」であり、つまりは「台風進路図の中心線から離れたエリアであっても、広い範囲で大雨や暴風に注意が必要」ということになります。
ただ、台風が東シナ海でやや再発達をしたことと、南を通る予想に変わったことで、より危険度が増したと言えると思います。