凧揚げの糸を「丈夫なものに」と金属線に 送電線に触れた12歳少年が感電死
少年が用いたのは、家畜が逃げ出さないように張り巡らせる「電気柵」に使われる金属線だった。
だだっ広い場所と風さえあれば、誰でも楽しめる凧揚げ。だが、弱い糸や傷ついている糸が切れ、凧が飛んでいってしまうことも。そんな中、ブラジルのある少年が思いついたのは、なんとも危険な金属線を使うことだった。
イギリスのメディア『The Sun』『EMINETRA』などが、悲しい感電事故の話題を報じている。
■帰宅しなかった息子
事故は、ブラジル・ミナスジェライス州のグアシュペという町のある農場で、2日の午前8時30分頃に起きた。
死亡したのは近所に住むアドリアン・チャベス・ラミンくん(12)。昼近くになっても帰宅しないことを心配した家族が様子を見に行き、午後12時過ぎ、倒れているアドリアンくんを父親が発見した。
■四肢が真っ黒に
すでに心肺停止状態にあったアドイアンくんは、両手と両脚が真っ黒に焦げており、何かを両手で握りしめながら感電したことは明白だった。
少年の凧に使用されていた糸は、ナイロンコーティングが施された細い金属線で、それが高圧送電線に触れたのではないかと考えられている。なお、この事故により、地域一帯が数時間にわたり停電となったという。
■電気柵用の金属線を使用
地元警察によると凧は自家製で、少年は糸を丈夫なものにする目的で金属線を使用していた。それは、家畜が逃げ出さないように設置される「電気柵」のための金属線で、農場が多いその近辺では簡単に手に入るものだった。
アドリアンくんの遺体は3日に墓地に埋葬されたが、家族はひどいショックを受けており、地域住民や行政による支援が必要な状況だという。
■のどを切られる事故も
凧揚げでは、まれに深刻な事故が起きている。今から5年前には、インドのニューデリーで人々が「独立記念日」を祝うためカラフルな凧を揚げていたなか、その糸でのどを切られるという事故が3件発生。幼児2人と男性1人が死亡していた。
いずれの事故も、凧糸は特に鋭いものが使用されていた。凧揚げを競い合うイベントのため、他の凧の糸を切断する目的で、ガラスコーティングを施したものが販売されていたという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)