15歳少年が厳しい家を飛び出し自殺 体罰を後悔し母親が後追い自殺
心に余裕のない子育てを反省し、後悔した母親。しかし、息子の命はもう取り戻せない。
心に余裕のある子育てができる家庭など、ごく一部のみといわれているインド。わが子に説教する際、言葉だけでなく、棒で叩くなどする親も少なくないという。
そんな中、15歳の息子の自殺に心を痛めた母親が、自らも後を追うという悲劇的な出来事があった。『Times Now News』『Times of India』など同国のメディアが報じている。
■女性の首吊り遺体の下に…
この悲劇の話題は、グジャラート州ヴァドーダラー・パンチマハル地区のミザリという村から伝えられた。
8月31日朝、中年の女性が木の枝に首を吊って亡くなっているところを発見されたが、その真下には、やはり息絶えている少年の遺体が。その状況からは、少年が先に首を吊って死亡し、女性の手で遺体が地面に下ろされたものと推測されている。
■息子の後を追い母親も…
その後、警察は遺体の身元について、ラリータ・パテリヤさんと、息子のマンハールくん(15)と断定した。
連続した2人の死については「先にマンハールくんが首を吊って自殺を遂げ、遺体を発見した母親のラリータさんが、絶望のあまり自らも後を追うべく命を絶った可能性が考えられる」と発表している。
■スリッパで激しく叩く
マンハールくんはその前日となる8月30日、素行に関して母親に厳しく叱られていた。父親のラメシュさんが別の村に出かけている間、ラリータさんは息子に説教。口答えなどがあれば、スリッパで激しく叩くなどしたという。
その後、マンハールくんは家を飛び出し、帰宅した父親が心配して警察に相談しようとしたが、ラリータさんは「本人が自分の意思で戻ってくるのを信じよう」と主張したという。
■行き過ぎた説教や体罰
古今東西を問わず、心に余裕のない子育てには厳しすぎる説教や体罰が付いて回ることがある。後で殆どの親が「やり過ぎた」と後悔し、反省するといわれているが、こういう悲劇だけは避けなければなるまい。
なお、ラリータさんの親族からは「殺された疑いもある」との声があがっており、警察は事件性も視野に入れ、念入りな捜査を行うとしている。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)