菅義偉首相、岸田文雄幹事長で総裁選延期を画策も失敗か 戦えば岸田氏に勝算も
「衆院解散で総裁選延期」との観測気球も一日で萎み、有力候補の岸田前政調会長は戦闘モードのようだ。
■岸田氏は「幹事長は受けない」
9月1日、水面下では菅義偉陣営が岸田文雄陣営に秋波を送っていた。自民党総裁選挙が行われるとしたら、最強の対立候補は岸田氏になるからだ。菅陣営は岸田氏を幹事長に抜擢する代わりに、自民党総裁選の延期を提案したと言われている。
しかし、岸田氏は前日のBSの番組で「幹事長を受けるつもりはない」と宣言。その決意は揺らがなかったようだ。
それは自民党総裁選で勝つと見越してのことだろう。岸田氏は退路を断ったと言える。数々の選挙を手がけたことのある選挙通は「岸田と菅の一騎打ちならば岸田氏が勝つ可能性は高い」と太鼓判を押す。
■加藤の乱で見せたしたたかな岸田氏
岸田氏といえば実直なイメージがあるが、したたかな面もある。「加藤の乱」を聞いたことがある方もいよう。当時、森喜朗内閣の支持率が10%前半と低迷していた。
2000年も終わりに近くなる頃、自民党幹事長経験者で自民党内派閥・宏池会の加藤紘一会長がメディア幹部による会合で、森内閣の改造について問われ、「森さん自身で改造ができるのか」という趣旨の発言をした。出席者は倒閣運動を始めるのかと受け取った。
加藤氏はYKKの盟友・山崎拓氏と組んで発言をエスカレートさせ、連日メディアに出演。森内閣打倒の狼煙をあげた。そして、野党が不信任案を出した場合には山崎派と共に賛成すると明言する。