お尻に新型コロナワクチン打つ試みをブラジルで展開 「あまり痛くない」と好評

その取り組みについて、小児感染症の権威は「臀部でもワクチンの有効性は変わらない」と賛同している。

2021/09/01 15:00

コロナワクチン

ブラジルのある都市で、新型コロナウイルスワクチンを、腕ではなく臀部(尻)の筋肉にする試みが広がり、なかなか好評だという。『FOLHA DE S.PAULO』が報じ、『Washington Post』など海外メディアがそれに続いている。


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■「それならお尻はどうか」

筋肉注射の接種というと、打たれる場所は腕、臀部、太ももの3カ所のうち、最もふさわしいどれかになる。しかし新型コロナウイルスワクチンでは、眠れないほど、また仕事に支障が出るほど肩や腕が痛くなる人が続出している。

「それならお尻はどうだろう。肩より痛くないはずだ」と考えたのは、ブラジル・サンタカタリーナ州ジョインヴィレ(Joinville)市の保健局だ。

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■被接種者の希望次第

こうして始まった、臀部の筋肉へのワクチン接種。ローラ・ブラスさんという25歳の女性が、接種する写真をTwitterに投稿したところ、「お尻といっても、そのあたりなら出しても恥ずかしくない」と話題に。

その取り組みは強制的ではなく、あくまでも被接種者の希望に応じて行われるものだが、実際のところ「あまり痛くならない」と好評だという。

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■ちょっとズボンを下げるだけ

太い血管や神経が通っておらず、強めの筋肉が確認できる臀部は、筋肉内注射を接種する好ポイント。日本でも、婦人科で排卵誘発剤などを接種する場合、臀部に打つことがあるという。

場所は意外と脇腹に近く、ローライズジーンズの愛用者なら数センチ下げるだけでOK。具体的には片方の尻を4ブロックに分けた際の上方外側、中殿筋にある。そのポイントは医療従事者ならきちんと把握しているそうだ。


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■専門家も推奨

この件について、州やブラジルの保健当局は「安全で有効なのは肩。臀部への接種は、肩に障害がある場合のみ許可されている」と話し、頭を抱えている。

これには小児感染症の権威であるレナト・クフォウリ博士が、「臀部だとワクチンの有効性が低くなるという科学的証拠はない」と反論。筋肉が多いほど免疫細胞が多く分布し、免疫がつきやすいというのだ。

この新たな取り組みは、州のほかの地域にも広がる可能性がある。ただし、その後のウイルス感染状況が他より悪化することはないか、そこはじっくりと比較する必要があるだろう。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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