モデルナワクチンと金属アレルギーの関連性は… 米国では今年1月にも話題に
今年1月、金属アレルギーのある米女性も、モデルナ製ワクチンでアナフィラキシーショックを発症していた。
モデルナ製新型コロナウイルスワクチンについて、人気女性キックボクサーのぱんちゃん璃奈が、異物混入が確認されたロット番号のものを打たれた後、アナフィラキシーショックを起こしていたことをTwitterで明らかにした。
「金属アレルギーがあった」という告白も、関心を集めている。
近年、40代以下の女性で増えていると言われる金属(特にニッケル)アレルギー。もしや自分も…と女性たちの間で動揺が走っているが、アメリカでは今年1月にも、モデルナ製ワクチンと金属アレルギーの関連性について話題になっていたようだ。
■米女性もほぼ同じ症状
2回目のワクチン接種後12時間ほどで上唇が大きく腫れ、しびれ、せきが出て呼吸が苦しくなり、やがて両目が涙袋まで腫れてしまったというぱんちゃん璃奈。
アメリカ・ウィスコンシン州のオシュコシュに暮らすチャリティー・ブラッツさんという30代の女性も、ほぼ同じことを今年1月上旬に経験し、救急搬送されていた。
ブラッツさんは「アレルギー体質でも打つメリットは大きい。何か起きても対応は可能」という認識で接種したが、1回目にしてアナフィラキシーショックが起き、医師の判断で2回目は打っていない。
■缶詰で知った金属アレルギー
ウィスコンシン州のメディア『WBAY2 News』によると、ブラッツさんは21歳から大豆や野菜など多数の食品にアレルギー反応を示すようになり、缶詰に反応することから医師からニッケル(金属)アレルギーを指摘されていた。
含有量は各食品によっても異なるが、ニッケルは穀類、豆類、チョコレート、魚貝類、種実類、海藻、野菜類、キノコ類、缶詰の食品、さらにコーヒー、お茶、紅茶、ウーロン茶といった飲料にまで含まれるという。
例えばチョコレートが好きで頻繁に食べる女性には、ニッケルアレルギーが起こりやすいそうだ。また、当然ながら歯科治療やピアスを含むアクセサリー類にも気をつけているという。
■「モデルナアーム」も再び注目か
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は1月中旬、「現時点で、アナフィラキシーショックは100万回投与につきモデルナ製で2.1例、ファイザー製で6.2例の割合で起きている。20~40代の女性が多く、10人中9人がアレルギー体質」などと発表していた。
また、接種した部分の下に赤い発疹が広がる「モデルナアーム」では、1回目で現れる人や、遅延型アレルギーゆえ接種の12日後に発症する例も。健康医療の情報サイト『STAT News』には「投与後9日目に出て驚いた」「周囲でも意外と多い。成分が身近なアレルゲン(原因物質)と関連か」といったコメントが寄せられていた。
■30代の男性2名が死亡
繰り返しになるが、金属アレルギーのあるアメリカのブラッツさんがアナフィラキシーショックを起こしたのは、今年1月のことだ。金属の粒子が混入している(いた)のは本当に3つのロット番号だけかという疑問があり、海外の報道にも注視しておくべきだろう。
なお、厚生労働省は28日、そのうちのロット番号「3004734」のワクチンを接種していた38歳と30歳の男性が死亡していたことを発表したが、この2名に何かアレルギーはあったのだろうか。
接種と死亡との因果関係については、ありとあらゆる可能性を視野に入れ、有識者検討会で積極的な討論がなされることに期待したい。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)