看病が生きがいだった可能性も 難病の15歳息子を看取った父親が後追い自殺
愛息の死にひどく憔悴しきった父親。親族には「この悲しみを乗り越えられないかもしれない」とも…。
インドのある町でこのほど、40歳の男性が自宅で自ら命を絶った。親族によれば、難病によって愛息が亡くなり、その喪失感に耐え切れずに後追いしたのではないかという。同国のメディア『Times of India』『Times Now News』などが報じている。
■自室にこもった男性
この話題は、インド北部ウッタラーカンド州・ウダムシンナガル地区のカシプルという町から伝えられた。
23日の朝、ランジット・グハガットさん(40)という男性が、自宅で首をつった状態で死亡しているのが発見され、同居の家族は警察に「ふさぎ込んで自室にこもり、ドアに鍵をかけたまま全く出てこなくなった」と話したという。
■最近ひとり息子が他界
その家庭ではほんの少し前に、サクシャムさんという少年が亡くなっていた。男性のひとり息子だったといい、難病による長い闘病生活の末、15歳の若さで天に召されたという。
遺族への聞き取りを行った警察は、男性が病弱なサクシャムさんをとても大切にし、よく世話をし、誰よりも死を嘆き悲しんでいたという事実を知った。
■「後追い自殺だと思う」
愛息の死による喪失感、落胆、絶望感などさまざまな感情に襲われたのか、男性の憔悴ぶりはひどく、親族には「この苦しみを乗り越えられないかもしれない」などと口にしていた。
そのため親族たちは「後追い自殺だと思う」と話しており、遺体の状況と合わせ、警察は男性の死を自殺と断定している。
■息子の死で生きがいを…
男性は長年にわたり、自身のことはそっちのけで息子の身の周りの世話をし、看病に明け暮れていた。
闘病する息子を支えることが人生の全てになっていたように見え、息子の死により心にぽっかりと穴が開き、自分の人生の価値や今後の生きがいを見つけられなくなってしまった可能性があるという。
一家の2人が短期間に相次いで亡くなったことで、親族は深い悲しみに打ちひしがれている。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)