レズビアン夫婦が離婚・失業・性転換手術を経て復縁 「大事なのは性や姿より愛情」
紆余曲折を経た2人は、恋愛や結婚において大切なものを痛感しているという。
大恋愛の末に結婚したものの、片方の浮気発覚で離婚となっていた女性同士の夫婦。去って行った妻をどうしても忘れられなかった“夫”は、浮気を深く反省していた。
性同一性障害、性転換手術による体調不良と失業、そして外見の大胆な変化。しかし、やはり離れられなかったという夫婦の紆余曲折のストーリーを、イギリスの『The Sun』『Derby Telegraph』などが報じている。
■浮気が発覚して離婚へ
イギリスのダービーシャー州に暮らす、ブランドンさん(52)とジュールズさん(42)のパート=ワトソン夫妻。彼らは今、自分たちの生きざまをまとめたいと自叙伝を執筆中だ。
ふたりはレズビアンとして2012年4月にネットで出会い、しばらくの遠距離恋愛を経てウェールズで同棲を始め、2013年4月に結婚。しかし、自由に性を楽しみたいと考えていたブランドンさんは、職場の同僚女性と浮気し、それが発覚した2017年11月にふたりは離婚した。
■優しさは変わらず…
その後の様子について、ジュールズさんは「私たちは、別れてもなぜか互いの家の近くに暮らしていました。性同一性障害を訴える彼(ブランドンさん)は、2017年1月にホルモン療法を始めると体調を崩しがちになり、失業し、何かあったら助けたいという気持ちもありました」とメディアの取材に語っている。
そして2018年6月、転居を余儀なくされたジュールズさんはブランドンさんに相談。すると彼は、安全で快適なアパートが見つかるまで何度でも不動産屋を訪ね、物件を探してくれた。
■復縁し2度目の結婚へ
その物件探しは、ふたりが互いに「離れがたい」と感じるきっかけになった。翌年の2019年、ブランドンさんは乳房切除手術で完全に男性の外見を手に入れると、12月にジュールズさんの前に現れ、過去の過ちを謝罪した。
「今度こそ良い夫になる」と誓ったブランドンさんをジュールズさんは受け入れ、ウェールズの美しい保養地であるランドリンドッドウェルズで、2度目の結婚式が行われた。
■大事なのは「人」を愛すること
子宮摘出手術をはじめ、これからもブランドンさんの性転換手術は続く。ホルモンバランスの失調や術後のケアなど、ジュールズさんがしっかりサポートしてくれるため、かつてのような不安はないという。
どんどん外見や体のつくりが変わっていくブランドンさんに、女性が性の対象だったジュールズさんは今、男性と結婚したかのような不思議な感覚を味わっている。
しかし年齢を重ね、さまざまな紆余曲折を経てジュールズさんが痛感したのは、恋愛も結婚も大切なのは姿や性より人間性だということ。今後もずっとふたりで一緒に生きていきたいと願っているそうだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)