飲み仲間の前で恥をかかされムカッ 男が親友の背中に一撃を加え半身不随に
男たちは誰もが認める大親友だった。互いの結婚式に出席し、家族ぐるみの交流を楽しんできたという。
イギリスで、酒好きな男たちが注目する1つの裁判が結審した。親友の男同士でお酒を飲んでいたなか、軽い気持ちで行われたある罰ゲームが、片方が重症を負う事件へと発展したという。
家族ぐるみの交流を続けるなど、2人がそれまでは大の仲良しだったことを、同国の『Daily Star』『Manchester Evening News』などが報じている。
■お釣りを受け取ると罰が…
この裁判の被告人であるポール・ギル(51)は昨年10月のある夜、マンチェスターのベリー地区にあるホテルのパブで、親友のビリー・クロフォードさん(55)ほかと楽しく飲んでいた。
そんな中、店の常連客の間では「お釣りは要らない」とスマートに言うのが流儀だという話で盛り上がった。もしも誰かがお釣りを受け取ったら、別の誰かがその手を強く叩いてお金を落とす、というイタズラ動画がTikTokにあるというのだ。
■背骨に強烈な一撃
ところがギル被告はお釣りを受け取り、そこでクロフォードさんは彼の手をパンと叩いた。常連客の前で恥をかかされ、ムカッとしたというギル被告。彼は店を出るとクロフォードさんの背後を歩き、あるときその背中に強烈な一撃を食らわせた。
転倒したクロフォードさんは、体がまったく動かなくなり救急車を要請。搬送先の病院で、さまざまな画像検査を経て脊髄の損傷が確認され、1ヶ月間の入院とリハビリテーションを余儀なくされた。
■上半身は麻痺し歩行もやっと
10メートル歩くのが精一杯で、上半身は麻痺したままのクロフォードさんは職を失い、妻も夫の介護のため仕事を辞めざるを得なくなった。夫妻の預金残高は、ここ半年の間に150万円も減ったという。
「大切な親友の脊髄を損傷させるとわかっていたら、決してやらなかった。猛省している」というギル被告。あるときFacebookを通じてクロフォードさんの息子に謝罪しようとしたが、息子はそれを拒否し、裁判所で接近禁止を要請する手続きすら行っていた。
■有罪判決下る
その裁判がこのほどマンチェスターのミンスハル・ストリート刑事裁判所で開かれ、判事はギル被告に懲役2年執行猶予2年、地域奉仕活動への280時間の参加義務を言い渡した。
また医療費とは別に、クロフォードさんへの慰謝料として月々500ポンド、計15,000ポンド(日本円にして約224万円)を支払うよう命じたという。
数十年にわたり仲が良く、互いの結婚式にも出席し、家族ぐるみで一緒に休暇を楽しむなどしていたクロフォードさんとギル被告。その友情は、背中への一撃という一瞬の蛮行により完全に壊れてしまったようだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)