ハワイで夏休み満喫ならず ワクチンパスポートを偽造した親子が空港で逮捕
偽造の動機について、容疑者は「空港到着後の10日間の隔離を回避したかった」と話しているという。
夏休みをハワイで過ごそうとした親子が、ホノルルの空港で当局に身柄を拘束された。新型コロナウイルスについての審査を受ける際、偽のワクチンパスポートを提出したという。
地元メディアの『KHON2』に続き、『NEW YORK POST』やカリフォルニア州の『KION546 』などが報じている。
■偽のワクチンパスポート
ホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港で8日、アメリカ・カリフォルニア州に暮らす57歳のノーバート・チャン(Norbert Chung)と、その息子で19歳のトレヴァー・チャン(Trevor Chung)が逮捕された。公開された写真からは、親子が東洋系であることがわかる。
2人は夏休みをハワイ州で過ごそうとホノルルに飛んできたが、新型コロナウイルス関連の審査を受けるにあたって提示したワクチンパスポートが、偽造されたものであることを職員に見抜かれた。
■ハワイ州初の逮捕者
ワクチンパスポートは、国内外の旅行、観光、娯楽、飲食ほか、あらゆる業界でスムーズなサービスが受けられるとして、多くの国で発行が始まっている。
その制度がスタートすると報じられたとき、「偽のパスポートが横行するのでは」「親しい人や家族間で簡単に貸し借りされるのでは」と疑った人も多いだろう。だが、意外にもその違法行為に手を染める者は少なく、ハワイ州ではこれが初めての逮捕者だという。
■「10日間の隔離が嫌で…」
偽造の動機については、「空港到着後10日間の待機期間(自主隔離)を回避したかった」などと話したチャン容疑者。最新のウイルス検査では陰性と判明し、すでにカリフォルニア州の自宅に戻っている。
親子は公文書偽造の容疑で起訴されており、いずれは裁判所に出廷することになるが、有罪の場合は1人につき5,000ドル(日本円にして約55万円)の罰金、あるいは1年の懲役刑が下るのではないかとみられている。
■偽造防止策はさまざま
世界から大変な数の観光客が訪れ、このところかなりにぎわいを取り戻しているハワイ。水際対策の要となる空港では、当局が「この事件をきっかけに、一層気を引き締めてワクチンパスポートその他の確認にあたる」としている。
なお、各国ともワクチンパスポートの偽造防止にはかなり力を入れているが、日本では、コピーしようとすると自治体の名称や紋章が浮き出て肝心の文字が見えなくなるなど、特殊な加工を施した用紙を使用する所が多いようだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)