江戸時代の自販機? 誰もがそう想像してしまう1枚の写真が話題に
島根・石見銀山にある自動販売機のデザイン性が高すぎると話題。観光協会と設計者に詳しい話を聞いてみると…。
2021/08/16 07:20
日々の生活で利用する機会の多い自動販売機。とある観光地にある自動販売機がまるで江戸時代にタイムスリップしたようだと話題だ。
■石見銀山にある自動販売機
景観に配慮した自動販売機 pic.twitter.com/hOPn6tARRv
— きなこもち@駅奪取、駅メモ (@ekimemo_kinako) August 8, 2021
「景観に配慮した自動販売機」とコメントを添えて、木製のカバーで覆われた自動販売機の写真を投稿したのは、ツイッターユーザーのきなこもちさん。設置から時間が経っているせいなのか、はたまたデザインなのか、本体の木製カバーには苔らしき物が生えている。良い味だ。
この自動販売機は戦国時代後期から江戸時代前期にかけて栄え、世界遺産にも登録されている島根・石見銀山に存在。周囲の景観と合わせ、このデザインになったという。
■景観に馴染むデザインに驚きの声
オシャレな自動販売機にネットでは、「おしゃれ過ぎる」「こういった工夫大好き」「趣がある」「レトロ感がたまらない」など、絶賛の声が続出。
一方で、「江戸時代から稼働していても違和感ない」「時代劇に出ても問題なさそう」と、時空を超えた妄想を繰り広げるユーザーもおり、盛り上がりを見せている。
■観光協会に詳しい話を聞いてみると…
なぜ石見銀山の自動販売機は、木製のカバーで覆われているのだろう。そこで、島根・大田市観光協会に詳しい話を聞いてみた。
「国が選定する伝統的建造物群保存地区にこのエリアが選ばれたからですね。石見銀山内には木製のカバーで覆われた自動販売機が少なくとも4台あります。それ以外にも茶色くペイントしたモノもあり、いずれも景観に配慮しています」と説明が。
デザイン性の高さから注目を集め、外国人観光客から絶大な人気を誇っているとのことで、「景観に配慮しているだけでなく、話題性のあるデザイン」と自信を持って推していた。
■設置されたのは25年前
設計を担当した「ゆにまてく」の渡辺孝幸さんによると、設置されたのは1996年。
ツイッター上で話題になっていることに対しては、「自動販売機で街が盛り上がるのは嬉しい。景観を守るデザインのモノが増えると良いですね」と話す。
ちなみに写真の自動販売機は、約10年前にすべて取り替えたそう。初代はすべて木製のカバーだったが、痛むスピードを抑えるため、屋根を鉄板に変更。以降、修理などは行っていないようだ。
・合わせて読みたい→秋葉原にあるカオスすぎる自販機コーナー 販売されているモノが変わりすぎていた
(取材・文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)