世界遺産に投棄されたゴミ、その後の行き先に「知らなかった…」と怒りの声続出
美しい自然にゴミを投棄するという信じがたい行為。野生動物に与える「知られざる悪影響」が話題となっている。
■人間の食べ物を食べたキツネが…
ツイート投稿の経緯について担当者は「(自然公園財団では)日常的に世界遺産地域内のゴミ拾いを実施しており、 今回も業務の一環ではありますが…ゴミの不法投棄の一例として投稿しました」と語り、表情を曇らせる。
ゴミの投棄が野生動物に与える影響に関しては「観光客が捨てたゴミを、キツネが漁ったり食べている現場を目撃したことがあります」「キタキツネは皮膚病の一種である疥癬病(かいせんびょう)に感染する可能性があります。これは人間の食べ物などを食べるなどで発症する病気です」と、具体的な事例を挙げてくれた。ゴミを投棄するという行為は、「自然との軋轢」しか生まないことがハッキリと分かるエピソードである。
■「ゴミの投棄」は恥ずべき行為
2005年に世界遺産登録された知床の大地にて、知床世界遺産センターは「守るべきルール(規制)とマナー(心得)を伝える」「知床の見所や自然の情報を伝える」「知床を守っていくための最新の取り組みを伝える」という3つの目的を主軸に、日々活動を続けている。
しかし当然ではあるが「伝える」という行為は「伝える側」だけの努力では成立せず、「伝えられる側」の理解と協力が必須条件。
同センターや自然公園財団スタッフの努力を無駄にしないためにも、「ゴミの投棄」という安直かつ愚かな行動はくれぐれも謹んでもらいたい。
もちろんこれは同地域だけに限った話ではなく、「あらゆる場所で身勝手にゴミを投棄すべきでない」という、改めて主張すべきでもない極々当然の一般論であり、人間としてのマナーである。
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(取材・文/しらべぇ編集部・秋山 はじめ)