世界遺産に投棄されたゴミ、その後の行き先に「知らなかった…」と怒りの声続出
美しい自然にゴミを投棄するという信じがたい行為。野生動物に与える「知られざる悪影響」が話題となっている。
■「捨てられたゴミ」が向かう先は…
このたび注目を集めたのは、北海道に施設を構える「知床世界遺産センター」公式ツイッターが7月半ばごろに投稿した一件のツイート。
本文は「本当にお願い」という書き出しから始まり、「今朝、世界遺産地域内に食べ残しを含む大量のゴミが投げ捨てられていました」「ヒグマ、キツネ、タヌキ等の野生動物がこのゴミにおびき寄せられ、ヒグマは味を覚えてしまい人里や人に近付き、最悪駆除の対象になり、キツネやタヌキは消化しきれず皮膚病になってしまい死に至ることも」と、人間の身勝手なゴミ投棄が自然にもたらす悪影響についてつづられていた。
ツイートには2枚の写真が添えられており、地面に散らばった無数のゴミと、それを回収するスタッフの姿が確認できる。
【本当にお願い①】
今朝、世界遺産地域内に食べ残しを含む大量のゴミが投げ捨てられていました。
ヒグマ、キツネ、タヌキ等の野生動物がこのゴミにおびき寄せられ、ヒグマは味を覚えてしまい人里や人に近付き最悪駆除の対象になり、キツネやタヌキは消化しきれず皮膚病になってしまい死に至ることも。 pic.twitter.com/iUwJ5fQ9Yj— 知床世界遺産センター (@shiretoko_whc) July 19, 2021
■信じがたい光景に怒りの声続出
渋谷のハロウィーンが語られる際、必ず話題にあがるのがゴミの投棄問題。
当然のことではあるが、捨てられたゴミは「自然に消える」わけでなく、「全く無関係の人間が捨てている」という事実を忘れてはならない。それだけでなく、人間がとった自分本位な行動は、自然環境や動物に多大なる被害を与えてしまうのだ。
続くツイートでは「ゴミを捨てた人は投げ捨てておしまいと思うかもしれませんが、色々なことに影響が及びます」「どうかお願いです。ポイ捨てする前に考えてくれると嬉しいです。捨てようとしているそのゴミをゴミ箱に入れてくれるだけで、野生動物も人も助かります…」と、悲痛な願いがつづられていた。
一連のツイートには「動物と人間の共生を壊すのは、いつも人間です」「知らなかった…。こういう光景を目にすると、本当に悲しくなります」「世界遺産にゴミを捨てるって、どんな神経してるんだ?」「モラルのない人に、世界遺産に来る資格はないと思います」といった怒りの声が多数寄せられており、かくいう記者も憤りを覚えた一人である。
そこで今回は、件のツイートをめぐり「自然公園財団 知床支部」の担当者に詳しい話を尋ねることに。その結果、美しい知床の大地に何が起こっているのかが明らかになったのだ。