田村淳、著書『母ちゃんのフラフープ』で振り返る 母の死からの一年
思い出を振り返りながら、俺ってどういう人間なんだろう、母ちゃんにこんなところで影響を受けてるな、といったことをポジティブに振り返ることができた。
ロンドンブーツ1号2号・田村淳の著書『母ちゃんのフラフープ』が売れている。5月31日の発売から、8月12日現在で4刷。家族の絆を描いた感動的な自伝ではあるが、「身近な人の死」というテーマは扱いやすいものではない。
しらべぇ取材班は、テレビ番組収録後の楽屋で、本書の人気の秘密に迫った。
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■母の死から一年
『母ちゃんのフラフープ』のもう1人の主人公とも言える淳の母・久仁子さんが亡くなって一年。 母の死にコロナ禍が重なったことで、「悲しみに明け暮れる一年になるはずだったのが、自分が生きていく上でコロナや家族とどう向き合うかというところに意識がいった」と語る淳。
また、本を書くことで、母の死を悼みながらも「自分はどういう人間なんだろう」「母ちゃんにこんなところで影響を受けてるな」とポジティブに思い出を振り返ることができたという。
「この一年、いい形をとれたなと思います」と話す表情からは、悲しみを乗り越えた強さも感じられた。
■死をゆっくり振り返る大切さ
本書のプロローグに記されていた一言が、胸に刺さった。「親とは二回、別れがある。一度目の別れは、子どもが実家を出て行くとき。二度目の別れは、永遠の別れである」。
この本は、淳自身のグリーフケア(大切な人を喪失した状態からの回復)であると同時に、誰しもに訪れる大切な別れの予行演習であり、その解決策まで提示されている。
「身内が亡くなった場合、僕はたまたま本という形でしたけど、もう一度思い出を共有して、なぜ死が悲しいんだろうと振り返ることって、死者との別れのなかですごく重要なんだなと思った」 このグリーフケアについても、「今後研究していきたい」という。