毒ヘビに噛まれて妊婦が死亡 お腹の子は緊急帝王切開で緊急誕生へ
東南アジアや南アジアでは、毒ヘビに噛まれて命を落とす人たちが後を絶たない。
フィリピンで4日、来月にも出産予定だった女性が、猛毒のコブラに噛まれて死亡した。自身の体が徐々に弱っていくなか、お腹の赤ちゃんをさぞかし心配したであろう女性のためにも、医療スタッフは赤ちゃんの命だけは助けたいと思ったという。
フィリピンのメディア『ABS- CBN NEWS』に続き、イギリスの『Mirror』などが伝えている。
■聞こえた胎児の心音
妊婦がコブラに噛まれるという悲劇的な事故が起きたのは、フィリピン・ルソン島にあるキリノ州。女性は搬送されたディフン地区の病院で死亡が確認された。
ただし、かろうじて胎児の心音が確認できたことから、医療スタッフはすみやかに帝王切開手術に移ることを決断した。
■予断を許さぬ状況下で…
母親が死亡したことで栄養や酸素の補給が途絶えたのに加え、ヘビの毒も回り始めたのか、赤ちゃんが急激に弱ってきていることを医療スタッフは感じていた。
予断を許さない状況での帝王切開手術であったが、1時間後に胎児は何とか摘出され、ただちに新生児集中治療室の保育器へと移された。現在の健康状態は良好だという。
■速やかな処置が必要
相手の動きをじっと見つめ、一瞬の隙を突いてくるコブラ。フィリピンコブラはひと噛みで相手を殺し、3メートルの範囲で毒液を吹きかけることすらあるそうだ。
もし噛まれた場合は、心臓に近い部分をぎゅっと縛り、血液の流れを止めてから病院へと急ぐ必要がある。解毒剤の投与など専門的な手当てが遅れれば、待っているのは死だ。
この女性は独りで行動している際にコブラに襲われ、血の気を失った状態で倒れているところを発見されたという。
■ヘビの毒は恐ろしい
ヘビの毒が体に回り始めると嘔吐や悪寒戦慄が始まり、高熱を訴えるように。放置すれば血尿、鼻血や歯茎からの出血が始まり、亡くなった後の剖検では、内臓においても出血が確認されるそうだ。
東南アジアや南アジアでは、そんな毒ヘビに噛まれて命を落とす人たちが後を絶たない。事故は時にはキングコブラを伴ったショーでも起き、観客を震撼させるという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)