菓子用ギフトボックス工場で死亡事故 母でもある作業員が切断機に巻き込まれ…

業務上過失致死罪での逮捕も視野に、現在も現場責任者への厳しい聞き取りが続いている。

2021/08/12 09:00

工場・作業員

チョコレート、焼き菓子、キャンディなどのスイーツを、美しく詰めるために欠かせないギフトボックス。イタリアのある化粧箱メーカーの工場で、このたび悲惨な事故が起きた。『News Logics』や『The Sun』など海外のメディアが続々と報じている。


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■型抜き機に巻き込まれる

事故は、ボローニャに近いイタリア・モデナ県のカンポサントにあるボンボネット(Bombonette S.r.l.)社の工場で、3日に起きた。女性の作業員が、大型のダイカットマシン(型抜き機)に巻き込まれて死亡したという。

同社は、スイーツ用の美しいギフトボックス作りにおいては長い歴史を誇り、常に高く評価されてきたメーカーだ。

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■停止ボタン間に合わず

この事故で犠牲になったのは、勤務してまだ2ヶ月というライラ・エル・ハリムさん(40)。モロッコ出身でイタリア暮らしは20年以上になり、イタリア人パートナーとの間に4歳の娘がいた。

通報を受け医師、救急隊員、警察官たちが現場に到着したが、ライラさんはその場で死亡が確認された。事故に気づいた同僚がただちに停止ボタンを押したが、間に合わなかったという。

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■工場に立ち入り調査

ライラさんの作業手順に問題がなかった場合、身に着けていたものが歯車に引っ掛かり、体が引きずり込まれた可能性もある。この事故を受け、工場には警察とモデナ県による調査が入った。

機械操作にあたる作業員への安全指導は行き届いていたのか、そちらに大きな関心が向けられており、警察は業務上過失致死罪での逮捕も視野に、現場責任者への厳しい聞き取りを続けるとしている。


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■労災事故は増加傾向

イタリアの国立労働災害保険協会(Instituto Nazionale per l’assicurazione Contro Gli Infortuni Sul Lavoro 略称:INAIL)が、こうした事故に関するデータを所有している。

同協会によれば、工場における作業員の労災事故は、年々増加傾向にあるとのこと。今年の上半期は、前年の同時期と比較すると6.7%も増えているという。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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