母親の年金だけが頼りだった50代娘 ミイラ化した遺体を隠し詐欺罪などで逮捕
厚生労働省の社会・援護局は、「まずは地元の『ひきこもり地域支援センター』に相談を」と呼び掛けている。
アメリカでこのほど、ミイラ化した母親の遺体を自宅に隠していた50代の娘が逮捕された。母親が受給している障害者年金だけが頼りだったことを、『KIRO 7 News』『WREG News3』ほか多数のメディアが伝えている。
■息子が「母親が行方不明に」
アメリカ・アーカンソー州のリンカーン市で、母親の死亡を役所などに届け出ることなく、遺体を自宅に隠し続けていたジーニー・パイクという54歳の女が警察に逮捕された。
ジーニーの兄が先月下旬、警察に「しばらく母親の姿が確認できない。一緒に暮らしている妹に安否を尋ねたところ返答がおかしい」と相談し、事件は発覚した。
■母親は障害者年金の受給者
グロリアさんは障害者年金を受給しながら暮らしていたといい、ステージ4の乳がんを患っていたにもかかわらず、通院は途絶えていた。
娘のジーニーがそのお金を頼りに生活していたという話に、警察は母親の銀行口座について最近の入出金状況を確認。すると7月27日に市内のディスカウントストアでお金が引き出されており、防犯カメラはジーニーのそんな姿を捉えていた。
■2020年の新聞紙で遺体を包む
8月2日、捜索差押許可状を手に自宅に現れた警察官は、あるベッドでミイラ化した遺体を発見。2020年の後半の日付がある新聞紙でグルグルと包まれ、寝具で覆われていた。
自然死か故殺か州犯罪研究所で遺体についての剖検が行われているが、体の特徴から行方不明になっていたグロリア・パイクさん(73)のものと考えられている。
その後ジーニーは障害者年金の不正受給、遺産の搾取、死体損壊、死体遺棄など、重い詐欺罪を含む複数の容疑で逮捕され、身柄は拘置所に送られた。
■日本には「ひきこもり地域支援センター」
事件には至らなくとも、無職の子が高齢の親の年金や収入を頼りに暮らすという形態は世界的に増えており、親が80代、子が50代であることが多いため、日本では「8050問題」とも呼ばれている。
厚生労働省の社会・援護局は、「まずは地元の『ひきこもり地域支援センター』に相談を」と呼び掛けているが、原因はひきこもりばかりでないとのこと。
心身の病気や親の介護、リストラによる失業、親族や近隣住民などからの孤立など、さまざまな問題が解決されることがなく年月が経過した結果だとしている。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)