「母と妹を守るため」 DV継父を刺殺した14歳少年の判決が確定
責任感の強い少年は、母と妹を守るため家族を殺してしまった。ひどく心を痛めていることだろう。
ロシアで今年1月、14歳の少年が、家族に対し日常的に暴力をふるっていた母親の再婚相手を刺し殺すという事件が発生した。先月からその裁判が始まったことを、オーストラリアの『7 NEWS.com.au』など海外のメディアが報じている。
■夫婦げんかが絶えず…
ロシアで今年1月8日、アレクセイ・トルスティクヒンという14歳の男の子が、母親の再婚相手で継父のヘナディ・ベロボロノフを、刃物で刺し殺すという事件が発生していた。
事件当日、母親のヴェラ・トルスティクヒナさんはヘナディとともに友人の家を訪ねており、帰宅した際に夫婦げんかが始まったという。
■夫の要求を拒否
口論のきっかけは、ヘナディが帰宅するやいなや、「まだ飲み足りない」と、ヴェラさんにウォッカを持ってくるよう頼んだことにあった。
ヴェラさんはその要求を拒否し、自室に鍵をかけて娘のダシャちゃんと部屋に引きこもった。その態度に怒ったヘナディは、部屋のドアを叩き壊して、ふたりに暴力をふるい始めた。
■「母と妹を守るため」
それを見たアレクセイは、台所から刃物を持ち出すと継父のヘナディの体に突き進んだ。エナディが息絶えるまで、複数回にわたり刺したことがわかっている。
警察の取り調べに対しアレクセイは、「椅子に座って電話をしていたら、母の叫び声が聞こえた。行ってみると部屋のドアが壊され、ヘナディが母と妹に暴力をふるっていた」と供述。
涙を流しながら「怯えているふたりを見て、守るためには殺すしかないと思った」と話し、全ての容疑を認めたという。
■日常的だった暴力
かつて、ヘナディとアレクセイの仲は良好で、宿題を手伝ってくれることもあった。だが数ヶ月前に失職し、それ以来、ヘナディは家族に暴力的な態度を取るようになったという。
殺人の罪に問われていたアレクセイだが、先月30日の裁判で判事は、14歳の被告に刑事責任を問うことは難しいとの判断を下した。
弁護人のベア・イリュノフ氏は、家庭内の事情や日常的なDVに、少年がPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症していたことが考慮されたと説明。そうした場合、殺人罪が適用されるのは16歳からになるという。
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(文/しらべぇ編集部・桜田 ルイ)