五輪選手村警備の警察官、新たに12名が新型コロナ陽性 海外メディアも懸念
五輪選手たちの健闘と勝利は感動的だが、コロナ禍で苦しめられている大会関係者も大勢いる。
このところ、私たちに大きな感動を与えてくれている『東京2020オリンピック』。だがここにきて、五輪選手村に派遣されている日本の警察官から新型コロナウイルスの陽性反応が多数出てしまっている。
イギリスの『METRO』やアメリカの『Opera News』など、海外メディアも報じている。
■全国から多くの警察官が協力
「PCR検査によりコロナに感染」と伝えられ、波紋を広げているのは、選手村の警備にあたっている警察官12名。38名の警察官が濃厚接触者に特定され、現在は隔離を行っているが、海外では「警察官からクラスターが発生。全員が20代」と大きく報道されてしまっている。
警察官は全国から派遣されているが、半分以上の警察官が兵庫県警からの協力だといい、このたび濃厚接触者に特定されなかった警察官は、変わらず選手村の警備にあたっている。
■誰もが感じるコロナ感染の恐怖
メディアの取材に応じた兵庫県警の職員の、「陽性と判明したのは私たち兵庫県警の警察官のみ。呪われているんですかね」といった発言も大きな注目を集めている。
警察官のなかには、コロナウイルスは目に見えない分、自然災害より恐ろしい面があると話す者も多いといい、多くの職員が選手村でのコロナ蔓延を恐れ、明日は我が身かも…といった不安のなかで任務に当たっているそうだ。
■問題点も明らかに
また、派遣されている警察官らは、大会関係者向けに用意された寮に滞在しているが、多くの狭いスペースを共有しているため、そこは漫然と混雑した状況だと明らかにされた。
警察官の数に対し、寮のトイレの数が少ないことと、洗面所がとても狭いこと。これらがクラスター発生の一因となって、今後も警察官の感染者数が増える可能性があると感じているという。
強い日差しのなか警備にあたっている警察官に対しては、「熱中症にならないか」と心配する声も多い。
■怪しくなったワクチンの有効性
警察官のクラスター発生をうけ、選手村では安全対策の見直しが緊急に行われた。
大会組織委員会はコメントを控えている様子だが、東京都のコロナ感染者数はオリンピックが開催されてから大幅に増加しており、全国の多くの都市でも過去最多記録を更新するなどしている。
五輪の警備にあたる前に、恐らく優先的にワクチン接種を受けていたのであろう警察官たち。彼らの感染は、ワクチンの有効性が確実に怪しくなっていることの証でもある。ブースター(追加接種)の必要性も含め、議論の大きな焦点となってくるだろう。
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(文/しらべぇ編集部・桜田 ルイ)