世界初9つ子を育てる女性 日にオムツ交換100回と授乳6リットルで心身がゲッソリ
新型コロナウイルスの影響で、夫とは2ヶ月以上離ればなれに。母親の心身は忍耐の限界を超えるところだった。
今年、マリ共和国の25歳の女性がなんと9つ子の赤ちゃんを出産した。赤ちゃんたちは順調に育っていることから、このケースは多胎出産における世界新記録だろう。
だが、24時間フル稼働で子育てに当たる母親の心身の衰弱は、はなはだしいという。イギリスの『Mail Online』『Mirror』などが報じている。
■9つ子誕生に世界が仰天
今年5月4日、マリ共和国のハリマ・シッセさんという25歳の女性が、安全な出産のため渡っていたモロッコの大きな病院で、9人の赤ちゃんを出産した。
事前には「胎児は7人」という診断だったが、超音波検査に映らない赤ちゃんが2人おり、帝王切開手術を行った医師も驚くなか、9人が無事に取り上げられた。順調に育てば、9つ子は多胎出産における前代未聞の新記録だ。
■新型コロナのせいで父親は…
世界中の周産期医療や小児医療の従事者が固唾を飲んで見守ってきたが、9人全員がしっかりとした成長を見せているという。
それはハリマさんの母性、そして一生懸命な子育てのおかげだった。新型コロナウイルスの影響で、赤ちゃんたちの父親(35)はモロッコになかなか向かうことができず、19日に初めて我が子を腕に抱いたそうだ。
■日に100回のオムツ交換
小さな女の子5人と男の子4人。ハリマさんは今、1日のうちにおむつ交換100回と、6リットル分の授乳で明け暮れる日々を送っている。熟睡とは無縁の24時間体制の子育ては想像を絶する大変さで、「育児を楽しむ」といった感覚とはほど遠いものだという。
ハリマさんはメディアの取材に「出産時は姉が私の手を握り、励ましてくれていました。でも私の頭の中は『誰がこの子たちの世話をするの? ひょっとして私だけ? 誰に助けを求めたらいいの?』と、ただ不安と疑問が渦巻いていました」と話している。
■周囲のサポートが何より重要
夫の到着がこれ以上遅ければ、ハリマさんは体を壊すか、忍耐の限界を超えて精神を病むか、そのどちらかになるところだった。
また、分娩時の大量出血で命を落とすところだったことも明らかにされた。そこからの完全な回復も疑わしいなか、常に疲弊しきっているというハリマさん。彼女の健康状態を心配する声はとても多い。周囲の人々による心身のサポートが望まれる。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)