「分配なくして成長なし」 消費税5%・所得税ゼロを提言する立憲・江田代表代行に聞く
「秋の総選挙を戦い抜きたい」江田憲司・衆院議員が意気込みを語った。
■アベノミクスは強いものをさらに強くしてきた
―――サプライサイドエコノミーについて、安倍晋三前首相も菅義偉首相もその路線を継承していますが、それについてはどう考える?
江田:結局、アベノミクスの総括ですけど、一言で申し上げれば、強いものをさらに強くして、お金持ちをさらに大金持ちにしただけなんですね。結果、何が起こったかというと、格差が広がりました。
もっと別の言い方をすれば、中間層が底抜けして、どんどん貧困層が増えていって、お金持ちの方々と貧困層のところが二極分解してしまった。
そこで、今回の我々の「中間とりまとめ」の表題につけたんですが、我々の経済政策はワンフレーズで表すとすると「一億総中流社会の復活」です。
昔、日本というのは高度成長時代に「一億総中流社会」と言われたんです。比喩的ではありますけどね。それを取り戻す。所得再分配を強化することで取り戻すということです。それか我々の基本的なスタンスです。
■所得再分配こそが経済成長する
―――あえて「分配なくして成長なし」というスローガンに掲げた意図を教えてください。
江田:これは何も、立憲民主党だけが言ってるんじゃなくて、実は今の国際潮流でもあるんです。例えば OECD (経済協力開発機構)ですね。あと IMF(国際通貨基金)。
こういった、今まで、いわゆる新自由主義的な路線、言い換えれば、小泉改革のようなものを標榜してきた国際機関までもが、最近、「格差是正が成長を促す」「分配強化が成長を促す」みたいな考え方に変わってきました。この5、6年のことです。
これには私も少し驚きましたが、彼らが言ってる主張の論文や報告書を読むと、要は所得再分配を強化して、いわゆる貧困撲滅というか格差是正をしていけば、結果的に教育水準も上がって、それがイノベーションを引き起こして経済成長するんだと。これが一つの考えです。
もう一つは、我々のように所得再分配で、結果的に国民の懐を温かくすれば、よりお買い物をしてくれる、消費が増える。先ほど申し上げた通り、国民経済の5、6割を占める消費を喚起して、消費が伸びれば全体の経済が成長し、国民生活も豊かになっていく。
こういう考え方に変わってきたので、何も我々、立憲民主党だけが、特異な政策を言ってるんじゃなくて、まさにそれは今の国際潮流だということを、ぜひご認識していただきたいなと思います。