刃物で虐待された犬は一命を取り留めたが… 猟奇的すぎる飼い主の刑量に物議
残虐でありながら、容疑者の身柄は保釈された。いわゆる「動物虐待事件」の扱いでいいケースなのか。
アメリカ・ニューヨーク州で、飼い犬に対し、刃物で蛮行を働いた女が逮捕された。彼女のような人間を、果たして「飼い主」と呼ぶものかと物議を醸している。州都オールバニーのメディア『News10』『WNYT News13』ほかが伝えた。
■動物病院が警察に通報
事件は、ニューヨーク州グリーン郡のカイロという町から伝えられた。6月20日、重傷を負った犬が第三者によりキャッツキル・アニマル病院に運び込まれ、病院が郡保安官事務所に通報して発覚したという。
その後、警察と動物病院は犬と飼い主を特定。犬は「ブルーヒーラー」とも呼ばれるオーストラリアン・キャトル・ドッグのメスで、「ピーチズ」という名前であることもわかった。
■ナイフで刺し8時間放置
飼い主はポーリン・ウォルドロンという67歳の女で、警察が厳しく問い詰めたところ、ピーチズの腹部などをナイフで繰り返し刺し、弱ったところで首を切ろうと試みたものの、やめたことを供述した。
その後、第三者が病院に連れて行くまで、ピーチズは8時間にわたり放置されていたこともわかった。警察はウォルドロン容疑者とこの第三者の続柄などについては、明らかにしていない。自宅には他に5頭の犬がおり、現在はすべて動物保護施設で保護しているという。
■虐待致死容疑では起訴できず
飼い犬に対してそこまで残虐な行為を働き、瀕死の重傷を負わせたことに、病院、警察、動物保護活動家たちは「罪もない生き物になぜこれほど残虐なことができるのか」と語り、ウォルドロン容疑者の人格上の問題や猟奇性を指摘している。
だが今の時点で、この一件は重罪として扱われる「動物虐待致死事件」にはなっていない。緊急手術を受け、ピーチズがなんとか一命を取り留めたためだ。
■あっという間に保釈
罪がぐんと軽い動物虐待事件として扱われることもあり、カイロタウン裁判所はウォルドロン容疑者を拘置所送りにはしていない。これに検事当局は不満をあらわにし、被告に対しては、法が許す限り最大の量刑を求めていく構えを見せている。
多頭飼いの理由や飼育の状況、犯行の動機などは徐々に明らかになると思われる。しかしピーチズは、容体は安定してきたものの、完治までにはかなりの月日を要するだろうという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)