ワクチン拒否のまま来日する五輪選手を英紙が徹底批判 コメントは賛否両論
五輪選手のワクチン接種について、是非論より支持されたのは「リスク排除のため中止して」という声だった。
新型コロナのインド型変異株「デルタ」が多くの国で猛威をふるうなか、日本人においては、五輪の観客となる可能性が高い世代のワクチン接種があまり進んでいない。そんなジレンマのなか、ついに外国人選手団および関係者の来日ラッシュが始まった。
英紙『The Independent/VOICE』に、このたび“ワクチン接種を拒む選手は五輪に参加するべきではない(Athletes refusing to have the Covid jab shouldn’t compete at the Olympics)”という記事が掲載され、物議を醸している。
■意見がぶつかり合う五輪
五輪選手団のワクチン接種に関し、大きな関心を集めた英国オリンピック委員会・アンディ・アンソン会長の発言。
選手団約1,000人のうち、6割が2回のワクチン接種を完了したものの5人ほどが拒否しているというもので、「感染者が出る前提で準備したい」という言葉に驚いた人も多かった。
東京五輪は、もはや「平和の祭典」でもなんでもない。『The Independent』のその記事は、これだけ意見の衝突がある五輪も珍しいとしている。主催者、参加者、市民、利権者らの主義主張に加え、ワクチン接種についても考え方が割れているからだ。
■「拝察」報道についても言及
その記事は、「五輪で新型コロナウイルスの感染がさらに拡大するのではないか、と天皇陛下が懸念を抱いておられるご様子だ」と述べた宮内庁長官の拝察報道についても言及。
「観客数の問題以前に、世界各国から集まった大勢の選手が同じ食堂を利用するなど、狭いスペースに集まること自体が危険をはらんでいるからだ」と指摘する。
互いを思いやるマナーとして、やはり誰もがワクチン接種を受けてから日本に向かい、五輪に臨むべきだといい、「打たない者は参加するべきではない」とすら綴られた。
■主要選手の離脱で台無しに
例えば、英プレミアリーグ「チェルシーFC」から「ノリッジ・シティFC」に1年間のローン移籍が決まったばかりのMFビリー・ギルモア選手は、肝心なときにコロナに感染して出場できず、チェルシーは結局『ユーロ2020』の出場権を逃してしまった。
また、感染で長期的な後遺症から選手生命を絶たれる選手もいる。予期せぬ感染で思わぬ悲劇が起きることと、2回目のワクチン接種後にパフォーマンスが低下することを比較したら、どちらが賢い選択だろうか。
その記事では、ワクチン接種は自分のためでもチームのためでもあると訴えている。
■賛否両論、真っ二つ
この記事には65件を超すコメントが寄せられている。
ある人が「安全性が未知なのに、ワクチンはあっという間に登場した。製薬会社から政治家に賄賂でも…」と書けば、「数百万人が亡くなったんだ。うん十年かけてワクチンの安全性を確認する間にもどんどん人が死ぬ」と反論する人も。
そして、「一流スポーツ選手は健康や栄養の管理に本当に真剣。未知の医薬品を投与されることにためらいがあるのは当然」「接種を強要するような流れは不快だ」「接種後の深刻な副反応や死亡例を考えると、拒否する権利がある」と数名が書けば、「感染するリスクが高くなるだけですよ」と別の誰かが警告している。
ちなみに、多くの賛同を得た意見は「リスク排除のためにも五輪を中止に」だった。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)