5人死傷トラック事故で無関係の企業に電話が殺到 「誤った正義感」に弁護士が警鐘
千葉県八街市で児童5人が死傷したトラック事故。無関係の企業に無言電話などの嫌がらせがおよぶ事態にも発展しているが、法律的に問題はないのだろうか。
千葉県八街市で発生した、児童5人死傷のトラック事故。何の罪もない児童の命が奪われたこと、逮捕された容疑者が飲酒運転だったとみられていることから怒りの声が相次いでおり、しらべぇでも報じたように事件とは無関係の「一文字違い」の企業に問い合わせの電話が殺到する事態にまで発展している。
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■無言電話や「人殺し」と罵倒する人
容疑者が勤務していた「南武運送」の親会社「南武」と一文字違いの企業には、ワンコールで切る、無言電話の他、「人殺し」「お前の会社では昼間から酒を飲んでもいいのか」といった問い合わせの電話が相次ぎ、業務に支障が出ている。公式サイトで「八街市で発生したトラック事故は弊社とは無関係です」と掲載したが、まだ解決には至っていない。
一文字違いの無関係な会社にここまで影響が出るのは迷惑以外の何物でもないが、法律的に問題はないのだろうか。
■「業務妨害罪」に該当する場合も
レイ法律事務所の舟橋和宏弁護士によれば、「このような問い合わせ行為は、当該会社の業務を妨害するものとして、業務妨害罪(刑法233条、234条)に該当することが考えられます」と指摘。
購入した製品が破損して怪我をした人が製品を販売していた会社にクレームの電話をするなど、内容や回数などの観点から正当だと第三者から見ていえるものであれば業務妨害とは言い難いが、「そもそも本件とは何の関係もない会社に対し、本件と何ら関係のないと思われる人間が『お前の会社は昼間から酒を飲ませるのか』などといった電話をかけることが正当なものといえることはまずないでしょう」と見解を述べた。