屋外で授乳姿を盗撮された女性が通報 警察の「公共の場でしないで」の指摘に物議
警察は女性に、「トラブルを避けるためにも、授乳は別の場所で隠れて行ったほうが」と指摘した。
イギリスで最近、赤ちゃんを連れて外出した女性がとても不愉快な経験をした。ベンチで授乳したところ、男に無断で撮影されてしまったのだ。彼女は激怒して警察に通報したが、警察は男の味方をしたという。同国のメディア『Metro』『The Sun』などが報じ、物議を醸している。
■ママに優しくない経験をした女性
マンチェスターのチョールトンに暮らすジュリア・クーパーさん(32)が、生後9ヶ月だという女の赤ちゃんを抱っこし、メディアの取材に対し「最悪な経験をしたの。この国の法律は変態男の味方で、子育て中のママには全く優しくないとわかったわ」と語り出した。
彼女がいら立っているのは、今年4月に赤ちゃんを連れて友人とショッピングに出かけた際、とても不愉快で不気味な経験をしたせいだという。
■「私の写真を削除して」
ふとした合間にベンチを見つけ、我が子に授乳し始めたジュリアさん。すると1人の男が、望遠レンズのついたカメラでやや遠くから自分を撮影していることに気づいたという。
授乳が済むと、ジュリアさんはその男の元に駆け寄った。被写体は自分なのか、もしも自分が写っているなら削除してほしいと彼女は強く要求したが、男は薄気味悪い笑顔を浮かべてそれを拒否した。
■違法対象は下半身だけだった
ジュリアさんはひどく腹を立てて通報したが、なんと男は警察に「ここは公の場で私は商業デザイナー。彼女の後方の駐車場を撮影していた」などと主張した。つまり、撮影中なのにジュリアさんがそこに割り込んできて、おもむろに授乳を始めたというのだ。
その主張を認めた警察は、ジュリアさんに「スカートを下から撮影するなど、下半身の盗撮だと違法ですが、上半身である授乳姿を対象とした法律がない。今回のようなトラブルを避けるためにも、授乳は別の場所で隠れて行ったほうが」と指摘したという。
■条例改正案が提出される
まるで納得がいかないジュリアさんは、誰でも参加できるオンライン署名サイトの『Change.org』にアカウントを開設。授乳を邪魔する、撮影するなどの行為を違法とみなすよう、法改正を求める署名活動をスタートさせた。
また、彼女から相談を受けていたイギリス労働党のジェフ・スミス議員は、2019年に施行の盗撮防止条例について、「上半身にも適用させ授乳の撮影も禁じる」という改正案を議会に提出。現時点でジュリアさんの署名は26,000を超える賛同を得ているという。
・合わせて読みたい→「ミス・ワールド」出場資格は処女のみ? 会長の保守的な考えに女性らが猛反発
(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)