話題の「コア視聴率」だけではTV改革が足りない理由 20年でできた構造とは

邦楽市場の変遷・お笑い界の縮小の構造・スタータレントの構造・ライター分析の手法とは。

■メディアライターへの期待

松本がライター批判をしたように、今後のメディアライターも情報収集だけでなく、ある程度の人文社会科学的な判断力を求められるだろう。

政治学者の加藤雅俊氏が提示するように、「類型論・段階論・動態論」の指標が重要。つまりは、類型的な比較と、歴史性と、言葉による制度変化への注視である。本分析も、こうした総合性や類型化モデルに留意したもの。


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■「情報バラエティ」の強さ

コア視聴率は、エンタメの活発化を促すと思われる。しかしながらその内容はそう単純ではないだろう。TV視聴者の高齢化とともに発展したものは、「情報バラエティ番組」。

しかし情報バラエティより「お笑い番組」が真のエンタメというわけでもないだろう。バブルの時代は終わり、不安定な経済の現実がある。

バラエティの変化は、単なる高齢化の影響だけでなく、情報への希求でもあるのではないだろうか。漫画『ラーメン発見伝』の「ラーメンを食ってるんじゃない。情報を食ってるんだ」の名言の如く、情報飽食社会の中で、常に情報を求める視聴者がいるだろう。

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■ひな壇芸人化の結末