「危険」の警告板を無視し近道を… ガイドの少年がヒグマに襲われ遺体を食われる
現場付近の道を熟知していた少年。「クマ注意」の警告版を無視して、近道をしていたのではないかという。
国立公園で大自然を堪能するとき、「野生動物が多数生息する場所に踏み込んでいる」という自覚と警戒心を忘れてはならない。特にも今の時期、クマとの遭遇には注意が必要だ。ロシアの国立公園で起きた悲惨な事故の話題を、イギリスの『Mail Online』『Metro』などが報じている。
■クマが遺体を食う
モンゴル国との国境にも近い、ロシア南部のサヤン山脈にあるエルガキ国立公園。ここはアメリカ・カリフォルニア州が世界に誇るヨセミテ国立公園に似ているため、「ロシアのヨセミテ」の異名で人々を魅了してきた。
そのエルガキ公園で、このほど16歳の少年がヒグマに襲われて死亡。無残にも遺体の半分がむさぼり食われたという。
■現場では被害者が続出
少年はその土地の山岳民族で、訪れる登山客のガイドを務める「シェルパ」と呼ばれるグループの一員だった。日が暮れても少年がキャンプに戻らないことから捜索を始めたが、シェルパの1人がヒグマに襲われ、いったん引き返していた。
翌日、ハイキングで公園を訪れた観光客から「人の体の上にクマが覆いかぶさっている。自身も襲われた」という通報があり、シェルパ2名が現場に急行した。
■近道を知っていた少年
現場はキャンプから約460メートルほど離れた場所だった。そこでもシェルパの1名がヒグマに襲われ、鋭い爪で皮膚を深く裂かれるなどしたが、ついにヒグマの首にナイフを刺すことに成功した。
エルガキ国立公園の事務局によれば、少年は現場付近の道を熟知しており、「クマ出没注意」の警告版があるにもかかわらず、単独行動ではつい近道をすることがあったという。
■必死にエサを探すクマたち
春から秋にかけ、エサを求めて活動が活発になるクマたち。里に下りてきて農作物を荒らしたり、人間に危害を加えたりすることもしばしばだ。
エルガキ国立公園のアイゴー・グライジン園長は、サヤン山脈の今年の冬は特に積雪量が多く、寒さが長引き、クマたちはエサの確保に非常に苦しんでいると説明。訪れる人々に、一層の警戒をと呼びかけている。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)