夏休みの家族旅行で起きた悲劇 海で泳ぐ15歳少女が落雷事故で死亡
落雷により人体に流れる大電流。命が助かっても、長期観察が必要な後遺症に悩まされることがあるという。
アメリカ・ジョージア州の美しいビーチで先週末、海で泳いでいた15歳の少女に雷が落ちた。海中でも起こり得る恐怖の落雷死亡事故について、同国の『ABC News』に続き、イギリスの『Mirror』なども報じている。
■美しい人気のビーチで
青春真っ盛りという15歳の少女の命を奪う落雷事故が起きたのは、北大西洋に面したジョージア州チャタム郡のタイビー・アイランド(Tybee Island)で、12日午後2時35分頃のことだった。
ここはウミガメが産卵することや、美味しいレストランが立ち並ぶことで知られる人気のビーチで、死亡した少女は家族や友人とともにアラバマ州から訪れていたという。
■懸命な心肺蘇生法も…
少女は当時、海に出て泳いでいた。落雷の知らせを受けたライフセーバーが救助し砂浜に引きあげると、救急隊員の到着まで心肺蘇生法が続けられた。だが、近くの病院に搬送された後に、死亡が確認されている。
アメリカ海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration)は、アメリカでは落雷事故で年間平均49人が死亡し、数百人が負傷すると発表している。
■一撃の水面電動で多数が死傷
落雷事故は水たまりのほか、稀に海や湖などでも起き、その場合、被害にあうのは主に船やサーファーだ。しかも、たった一撃でも水面伝導が起きるため、複数の人の命が奪われることがある。
1987年8月に高知県の海で起きた落雷事故では、サーフィンをしていた6人が死亡、7人が重軽症を負った。亡くなった6人のうち1名は心肺停止が起きたとみられるが、他の5人は、衝撃のあまり気を失い溺死したと考えられるという。
■長期にわたる健康観察
落雷により人体に大きな電流が体内を流れると、深刻な場合は心肺停止状態に陥る。軽い人でもやけどを負い、爆風により鼓膜が破れ、意識障害に見舞われることがある。
治療とともにそれらは改善していくが、中枢・抹消神経障害、知覚異常、脳内出血、網膜損傷,聴覚障害など、長期にわたりさまざまな後遺症に苦しめられる例も少なくないという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)