富山市の給食で970人に食中毒症状 保健所は「牛乳に毒素混入の可能性」
「牛乳に対して恐怖感を抱いてしまうことを懸念している。そのためのアフターフォローも続けていきたい」と教委。
2021/06/18 17:35
富山市は18日、市内の小中学校や保育園の児童・生徒、教職員あわせて計970人が下痢や発熱、腹痛などで欠席・早退したと発表。しらべぇ取材班は、保健所にその原因などについて詳しく聞いた。
■牛乳業者に立ち入り調査
富山市保健所が、食中毒が発生している学校・保育園で提供されたすべての献立を調査。すると、発生している場所で共通して出されたものが、牛乳しかないことを発見した。
そのため、17日この牛乳を提供した内田乳業(富山市)に約3時間立ち入り検査を実施。製造工程の調査や社長への聞き取りを行った。
この検査では、明らかな工程の不備などは見つからなかったという。そのため、各学校で保存していた当日出された牛乳を、国の研究機関や外部の業者に委託し調査中。結果がでるまでに3日から4日間かかるという。
■毒素は残ってしまう
担当者は「今のところ、黄色ブドウ球菌による毒素が食中毒の原因になった可能性が考えられる」と話す。また、「何らかの影響で黄色ブドウ球菌が混入した場合、菌事態は熱処理すれば死滅する。しかし、そこから出された毒素は残ってしまう」と語った。
「正式な検査結果がでるのを待つと、被害が拡大する可能性があるので、業者に対して行政処分を先行して実施することを検討中」と述べた。