新型コロナ病棟の看護師に有罪判決 ストレス発散で死亡患者のカードを不正利用か
防犯カメラと購入履歴を調べればすぐにバレるだろうに、なぜそんな愚かな犯行を…。
イギリス・ウェストミッドランズ州の病院に看護師として勤務していた女性が、死亡した患者のクレジットカードを使って買い物をしたとして逮捕された。先日その事件の裁判が行われたことを、『ITV』ほか海外のメディアが報じている。
■亡くなった17分後に…
今年1月24日午後2時ころ、イギリス・バーミンガム市にある病院で、新型コロナウィルスを患っていた83歳の女性患者が死亡。病院から患者の貴重品など一式が返却された際、遺族はクレジットカードがないことに気づき、警察に通報した。
購入履歴を詳しく調べると、患者が亡くなった17分後、何者かがそのクレジットカードを使い、病院の自動販売機で買い物をしていたことが判明した。
■「自分のカードと混乱しただけ」
警察が病院の防犯カメラが捉えた同時刻の映像を調べると、アイーシャ・バシャラットという23歳の女の看護師が、お菓子を購入する姿が映っていた。そこで警察は、勤務中だったバシャラットの身柄を拘束。所持品を調べると、やはり患者のクレジットカードを持っていた。
当初、「病院に落ちていたカードを拾っただけ。自分のカードと混乱してしまった」と無実を訴えていたバシャラットだったが、両者のカードは色もデザインも異なっており、逮捕に至ったという。
■遺族と病院を傷つける行為
その後、バシャラットは「亡くなった日に2回買い物をした。4日後にもカードで購入しようとしたが、すでにカードは失効されていた」と供述。素直に犯行を認めた。
ウェストミッドランズ警察の捜査官は、「新型コロナで大切な家族を失った遺族の悲しみや、病院が築いてきた信用、どれも傷つける最低な行為です。明るい未来に向かって、遺族が少しでも前に進むことを祈っています」と述べている。
■新型コロナの病棟を担当
9日、この事件の裁判がバーミンガムの裁判所で開かれた。バシャラットは窃盗と詐欺の2つの罪で有罪判決を受け、懲役10ヶ月、執行猶予1年6ヶ月の実刑判決が言い渡された。
患者やその家族に信頼される立場であるはずの看護師が、なぜモラルに反したそのような悪意の行為を働いたのか、犯行の動機はいまだ明らかにされていないという。
当時は新型コロナウイルス患者の病棟を担当し、相当なストレスと不安を抱えていたことがわかっているが、それでも決して許される行動ではない。
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(文/しらべぇ編集部・桜田 ルイ)