双子の妹を救うため姉がワニと格闘 違法ガイドの「遊泳禁止」無視が招いた事故か
スリルと危険を伴う海外旅行中の冒険。怪しいツアーガイドも多く、安易に信用するのは要注意だ。
夜になると生物発光プランクトンが明るく輝くことで有名な、メキシコの観光地を訪れていた双子の姉妹。だが妹がワニに襲われるという悲劇が起きた。緊迫した事故の状況とその後を、イギリスの『The Guardian』や『Daily Record』が報じている。
■自然豊かな人気の観光地
バックパッカーとして今年3月から世界を回り、動物保護団体で働くなどしていたイギリス出身の双子の姉妹ジョージア・ローリーさん(28)とメリッサさん。
2人は8日、メキシコ・オアハカ州プエルト・エスコンディードに近い「マニアルテペック・ラグーン」という大自然に恵まれた観光地を訪れた。
ここは、地元の植物やカラフルなイグアナやオウムなど、さまざまな野生動物と出会えることも人気のスポットだ。
■ワニが頭部をくわえ…
ふたりは6日の夜、あるツアーボートを利用してラグーンへ。そこで妹のメリッサさんは泳ぐことにしたが、突然その姿が消え、大きな叫び声が上がった。
ダイバーとして人命救助の経験がある姉のジョージアさんは、あわてて水中へ飛び込んだ。するとワニがメリッサさんを攻撃し、頭部をくわえて水の奥に引きずりこもうとしているのを見て、ワニと格闘になったという。
■獲物にワニも執念
ジョージアさんが殴り続けると、ようやくワニはメリッサさんを解放。意識を失ったメリッサさんをジョージアさんが抱えてボートに乗り込もうとしたが、再びワニが攻撃してきたため、ジョージアさんはさらにワニを殴り続けた。
やっとのことでワニの撃退に成功し、メリッサさんはただちに病院へ運ばれることに。肺に水がたまっており、穴が開いている可能性もあるため、意図的な昏睡状態に置かれ、さらなる治療が続けられるという。
■違法ガイドと判明
地元警察によると、マニアルテペック・ラグーンへの訪問者は、事前に必ずツアーガイドからワニについて警告や説明を受けるという。さらに現場は、推奨されていない遊泳スポットで、周辺には「遊泳禁止」の標識もあった。
ところが姉妹がホステルを通じて予約したツアーガイドは、無免許であるうえ、姉妹に「ワニなんていませんよ」と言っていったことも判明した。ワニと格闘した女性の勇気ある行動に称賛の声があがる一方、ガイドやホステルは責任を問われることになりそうだ。
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(文/しらべぇ編集部・桜田 ルイ)