9歳娘が大好きな父親の盾になり死亡 麻薬密売のトラブルとは知るはずもなく…
父親は最近まで服役していた麻薬のディーラーで、敵対する人物は多かった。娘はそんなことを知る由もなかった。
犯罪を繰り返す男の目の前で、幼い娘が殺されるという悲劇的な事件がブラジルで起きた。父親への愛情と勇気が仇になってしまったという。イギリスのメディア『The Sun』『The Scottish Sun』などが報じている。
■腹部を撃たれた娘
事件はブラジル北東部のパライバ州の民家で、6日に起きた。銃を手にいきなり自宅に現れた暴漢が、父親の命を狙っていることに気づいたアネ・ガブリエレ・リマ・ダ・シルバちゃんは父親の前へ立ちはだかり、腹部に銃弾を受けて死亡した。
大好きな父親をかばおうと、とっさに盾となったアネちゃんは、わずか9歳だった。
■麻薬の売人だった父親
愛娘が撃たれて死亡したのを見て、裏庭に逃げ込んだ父親のマルコス・マリニョ・ブリト(41)だが、こちらも射殺された。目撃者は4人の男性が現場からバイクで逃走したと話しており、警察が彼らの行方を追っている。
マルコスは麻薬の売人で、ある殺人事件に関ったため2020年に投獄され、3ヶ月前に出所したばかりだった。密売組織や敵対するグループとの間で何らかのトラブルがあったとみて、警察は情報の収集にも努めているという。
■妊娠中の恋人を盾に…
身内や愛していたはずの人を巻き添えにする事件は、これまでにも発生している。2017年3月にはアメリカ・フロリダ州インディアンリバー郡で、警察が麻薬常習犯の30代の男の自宅に押し入ったところ、男は交際中の恋人の背後から警官に向かって発砲した。
数名のSWAT隊員は女性が発砲したと勘違いし、女性に向かって数十発も発砲。お腹には赤ちゃんがいたため、妊娠中の無実の女性を射殺し、市民からは行き過ぎた銃撃だと批判の声があがり、警察にとっては苦悩に満ちた事件となったという。
■生後3ヶ月の息子を盾に…
さらに今年の5月上旬には、ミシシッピ州のハリソン郡で、エリック・デレル・スミスという30歳の男が元のパートナーから生後3ヶ月の息子を誘拐し、通報された。
その後、追ってきた警察官との間で銃撃戦が始まると、スミスは幼い息子を盾に我が身を守り、「なんと卑怯な。最低の父親だ」と大きく報じられた。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)