今や危険生物のコウモリが機内を旋回 乗員乗客パニックで旅客機が引き返す事態に
狭い機内で縦横無尽に飛び回るオオコウモリ。想像するだけで身の毛もよだつ話だ。
ある旅客機が、機内にコウモリが迷い込んだことに気づかず、そのまま離陸。飛行中に客室内を激しく飛び回るコウモリから新型コロナウィルスを想像し、乗客乗員の誰もが怯えたことを、イギリスの『Mirror』や『Daily Mail』などが報じている。
■大型のコウモリが機内に…
5月27日、インドのニューデリーからアメリカ・ニュージャージー州のニューアーク国際空港に向け、午前2時過ぎに飛び立ったエア・インディア航空のAI-105便(ボーイング777-300ER)。
30分ほど過ぎて離陸後の揺れも落ち着いた頃、機内で突然バサバサと物音がし、インドオオコウモリが現れた。インドオオコウモリの最も大きな個体は、羽を広げたサイズが4メートルもあるという。世界でも有名な大型のコウモリなのだ。
■乗員乗客はパニックに
他の生き物であれば捕獲や殺処分に当たることが普通だが、さまざまなウイルスを媒介することが分かっている野生のコウモリは、下手に触れることはできない。
新型コロナウイルスのパンデミック以来、最も近づきたくない危険な生き物のひとつになっているコウモリが、機内を縦横無尽に飛び回る様子に、乗員乗客は怯え、パニックに陥る者もいたという。
■着陸まで2時間も旋回
機長が管制官へ事態を報告し、インディラ・ガンディー国際空港への引き返しを要請。ところが、15時間という長いフライトを予定していた同機は大量の燃料を積んでおり、着陸時の強い衝撃を避けるため、コウモリを乗せたまま2時間にわたり上空を旋回することを余儀なくされた。
この時に無駄になった燃料は、30万ドル(日本円にして約3,300万円)相当にも及んだという。
■専門家が殺処分
飛行機は午前4時30分に、ニューデリーのインディラ・ガンディー国際空港に着陸。乗員乗客が全て降機すると、駆除業者が機内に乗り込み、燻煙剤をたいてコウモリを死なせてから機内の消毒作業を行った。
乗客たちは別の飛行機に乗り換え、再び離陸。目的地のニューアーク空港には計4時間遅れで到着したという。コウモリは、ケータリング会社が機内食を運び込む「フードローダー」と呼ばれる特殊な車両に潜んでいて、そこから乗り移ったと考えられるという。
・合わせて読みたい→飛行機内で死亡した遺体はどうなる? 現役CAが驚愕の事実をTikTok投稿
(文/しらべぇ編集部・桜田 ルイ)