「トーキョーは五輪のころ連日35℃以上」 最新気象情報に憮然とする海外メディア
「なぜそんな猛暑のなか…」と海外メディア。1964年の東京五輪は10月に開催されていたと指摘するメディアも。
イギリスの経済紙『フィナンシャル・タイムズ』が、このほど発表された日本の今年の夏(7月~9月)の長期気象予報について伝え、世界のメディアがそれを続々と引用。連日で猛暑日が続くという予報は、来日する人々をウンザリさせている様子だ。
■最高気温は連日35℃以上か
五輪開催中となる7月下旬以降の東京について、「まさに高温多湿の日々とぶつかるらしい」と伝えた『フィナンシャル・タイムズ』。世界のメディアがその記事を引用し、話題は広く拡散している。
彼らは、日本のウェザーニューズ社が発表した6月1日付の最新の長期予報に注目。
「高さの異なる太平洋高気圧とチベット高気圧が同時に張り出し、“ダブル高気圧”となって厳しい暑さをもたらす」「暑さのピークは7月下旬と8月下旬。最高気温が35℃以上の猛暑日が続くおそれがある」という内容だ。
■平均相対湿度は80%
また『フィナンシャル・タイムズは』、東京の夏の平均相対湿度が80%にもなることにも言及。マスク着用に耐えられなくなる可能性、熱中症で倒れる危険性、十分な数のテント設営が整うのかなど、懸念材料が多いことを添えている。
湿度の低い、理想的な環境のなかでトレーニングを続けてきた選手たちは、東京の猛暑に耐えられるだろうか。「コロナ以外にも問題があるとは…」とさぞかしウンザリさせていることだろう。
■「理想的な気候」と日本は強調
この件について、日本・東京は五輪招致活動の際、高温多湿の真実を巧妙な言葉で隠していたことを指摘するメディアもある。
カナダのメディア『Quebec News Tribune』は、「東京は『夏季五輪の時期に晴天が続くため、東京はアスリートが最高のパフォーマンスを発揮するのに理想的な環境を提供できる』などと強調していた」と伝えている。
実際のところ、来日した外国人選手団は、「もっと快適なのかと思った」と失望感を口にすることだろう。
■フェーン現象が起きれば最悪
ウェザーニューズ社の長期予報では、「特に関東は平年より気温がやや高くなり、フェーン現象が起きれば40℃前後の酷暑になる日も」とのこと。「厳しい残暑も予想される」とあるため、パラリンピックもかなり不安だ。
熱中症で人がバタバタと倒れるようなら、理想的な気候だなどと提唱して招致を成功させた東京は恨まれてしまうだろう。1964年の東京五輪が、猛暑を避けて10月に開催されていたことを知らない人は多いようだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)