力ずくの誘拐に知恵で対抗した小学生 犯人を「スライム」で染めて逮捕に貢献
11歳にして、犯人の体に事件の証拠を残し、逮捕に貢献した少女。賢く勇気ある行動に、称賛の声があがっている。
アメリカで起きた誘拐未遂事件が、大きな話題になっている。小学生の女の子が誘拐犯からなんとか逃げ出すことに成功したもので、あるモノを塗り付けることで逮捕にも貢献したからだ。女の子の賢く勇気ある行動を、『NBC News』『ABC News』などの海外メディアが報じている。
■事件の2週間前にも…
アメリカ・フロリダ州で18日の朝7時頃、アリッサ・ボナルちゃん(11)が自宅の近くでスクールバスを待っていた。すると突然、知らない男が近づき、刃物で脅された後に抱き上げられ、白い車に無理やり乗せられそうになった。
アリッサちゃんは事件の2週間ほど前、母親のアンバー・ボナルさんや先生に「白い車に乗った知らない男に話しかけられ、怖かった」と訴えていたという。
■証拠の重要性を熟知
アメリカの人気ドラマ『LAW & ORDER』の大ファンだったアリッサちゃん。事件の解決において証拠がどれほど重要なものか、番組を通じて熟知していた。
そこで、青いスライムがポケットに入っていることを思い出したアリッサちゃんは、警察が犯人を見つけやすいようにと考え、男の腕の2ヶ所にそれをべったりと擦り付けた。
さらに犯人の足を蹴り、激しく抵抗して逃げ出すことに成功。帰宅したアリッサちゃんから事情を聞いたアンバーさんは、ただちに警察に通報した。
■「青い腕」が手掛かりに
警察はアリッサちゃんの証言の通り、腕の青いスライムを手掛かりに、犯人を捜索。当日の夜には、腕が青く汚れているジャレッド・ポール・スタンガという30歳の男の身柄を拘束した。
現場付近にいた白い車と所有する車が一致すること、事件の数分後に現場近くのコンビニで買い物する姿が防犯カメラに映っていたことなどから、スタンガ容疑者は誘拐、脅迫、暴行などの罪で起訴された。保釈保証金は150万ドル(日本円にして約1億6,000万円)と設定されたという。
■普段は親子でバス停へ
事件のあった日、母アンバーさんは下の子供のオムツ交換で手が離せず、アリッサちゃんはひとりでバス停に向かった
。「もしあのまま誘拐されていたら、おそらくアリッサは殺されていたことでしょう」と涙を流すアンバーさん。シングルマザーの彼女にとって、学校の成績も良く下の子の面倒もよく見てくれるアリッサちゃんは、とても頼りになる存在だという。
アメリカのある調査によると、誘拐事件のうち見知らぬ大人によるものは1%未満と極めて稀だ。ほとんどの事件は別居中の親族や、その子供をよく知る大人による犯行だという。
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(文/しらべぇ編集部・桜田 ルイ)