北朝鮮でスキニーパンツとウルフカットも禁止に 金正恩の「黒電話ヘア」は奨励
本人は元NBA選手と親しく、海外のぜいたくな酒、チョコレートやチーズに囲まれて暮らしているのに…。
北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)氏が、またしても若者の文化やファッションにケチをつけ、いくつかのスタイルについて禁止令を出した。『Fox News』『The Sun』『Daily Express』など欧米の多くのメディアが伝えている。
■若者のスタイル監視を強化
北朝鮮の最高指導者で、今年1月には朝鮮労働党総書記の座に上りつめた金正恩氏。
西洋文化の流入を阻止することに力を注いでいる同氏が、このたびスキニーパンツの着用、そして欧米では「マレット」、日本では「ウルフカット」などと呼ばれる、やや長めの男性のヘアスタイルほかを禁止にしてしまった。
いずれも本人には似合わないスタイルということで、「ひがみもあるのでは」という声は多い。
■西洋文化と資本主義を嫌悪
この国の若者の間では、2017年頃からスタイルの西洋化が目立つようになったといい、ツンツン立たせたスパイクヘア、茶髪、ダメージジーンズ、ピアス、スローガンTシャツなども許されなくなった。
これらについて、「資本主義の自由で退廃的な感覚を広め、西洋文化への迎合で国が亡びる」と警戒したという正恩氏。朝鮮労働党機関紙の『労働新聞』も、国を脆弱化させる危険な芽が生じたことをわずかでも感じとったら、ただちに芽を摘み取ることが大事だとしている。
■「黒電話ヘア」はOK
北朝鮮では、K-POPも「低俗で悪質」との理由から禁止されている。「K-POPをはじめ、外国の音楽を聴いたことでやっと世界を知り、考え方が変わった」と話す脱北者が多いことに、正恩氏の妹である金与正氏は激怒。
ラジオ、音楽、ビデオ、聖書、チラシ類を北朝鮮に持ち込む者や脱北者を「人間のクズ」と呼び捨てたという。
ちなみに「黒電話ヘア」と呼ばれ、サイドと後ろを高く刈り上げてオールバックにする正恩氏のスタイルの正式名は、「覇気ヘア」だ。国が推奨する15種類のヘアスタイルの1つだというが、まねをしたがる若者はいないようだ。
■本人は西洋文化やグルメが好き
正恩氏は、北朝鮮の大使館職員の息子を語りながら、12歳からスイスに留学。ベルン・インターナショナルスクールを経てドイツ語を使う公立学校で学び、バスケットボールを愛し、西洋文化に思い切り触れ、青春を謳歌していた。
今もその楽しみは変わることなく、海外から取り寄せるぜいたくな酒、チョコレートやチーズに囲まれる暮らしを続けているため、痩せられないと報じられている。
国のトップがそんな人物に交代しても、国民に対しては、相変わらず「あれもだめ、これもだめ」とは、いったいどうなっているのだろうか。
・合わせて読みたい→かまいたち濱家、コナンの犯人を先に知りたがるネタバレ希望の若者に呆れ 「アホちゃう」
(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)