ケンタッキーアプリ不具合を大学生5人が悪用 330万円以上の損失を与え実刑判決
アプリのバグが原因で、男子大学生は注文のキャンセル時に予想外の「得」をしてしまった。
中国の男子大学生が、ケンタッキー・フライド・チキンの注文アプリにシステム上の不具合を発見し、それを悪用。友人とともに上海市の店舗から大量の商品を無料で入手していた事件について、このほど裁判が行われた。香港の『頭條日報』やイギリスの『Metro』などが報じている。
■アプリの不具合を発見
2018年4月、注文アプリにバグが発生したケンタッキー・フライド・チキン(以下KFC)。それに気づいた江蘇省の男子大学生が悪用を思い立ち、仲間4名と荒稼ぎを続けるという事件が起きていた。
主犯格は徐という現在23歳の男。WeChatのKFC注文アプリに、ひょんなことから2つの不具合を発見したことが犯行のきっかけになったという。
■2食目無料のクーポン
「セットメニュー2食目は無料」というクーポンを最初に利用した際、全く悪気がなかったとしている徐被告。本人の供述によれば、アプリのバグに気づいたのは、そのクーポンを利用し、かつ元の注文をキャンセルしたときだった。
キャンセルにより支払いがなされなかったにもかかわらず、2食目が無料で提供されたといい、さらに次の購入でもそのやり方で無料クーポンが使えたという。
■被害額は計330万円以上
驚いた徐被告は友人4名に連絡。彼らは半年間にわたり、同じ方法で大量のセットメニューを無料で入手し、それを格安で転売して利益を上げるようになった。
彼らのせいで上海市のKFCが被った被害額は、20人民元(日本円で約340万円)以上。
その裁判が上海市徐匯区人民法院で11日に開かれ、主犯格の徐被告には2年6ヶ月の懲役と10万8,000円の罰金が、他の被告4人にはそれぞれ13ヶ月から2年の懲役と、日本円で17,000円から68,000円の罰金が言い渡された。
■「バグのせいで犯罪者に」
この話題について中国の若者たちは「2年の懲役刑は重すぎる」「賄賂や汚職で数百万元を懐に入れた人たちと同じ扱いって、厳しすぎないか?」とコメント。ネットで大炎上している。
システム上のバグが原因で注文に予想外の得をするのは、悪魔の誘惑のようなもの。「KFC側がもっと真剣な仕事をしていれば、この若者たちは犯罪者にならなくても済んだのに」と同情する声もあるようだ。
・合わせて読みたい→池袋サンシャイン通りのケンタッキー閉店に悲しみの声 閉店の理由を本社に聞いた
(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)