避難勧告廃止で「避難指示までに必ず逃げて」 内閣府防災担当に詳しく聞いた
「警戒レベル4や5は、必ず発令されるものではない」と内閣府防災担当。
2021/05/20 14:40
2019年に導入された「大雨警戒レベル」は、多くの防災情報をわかりやすく整理し、避難する目的に使用されるはずだった。しかし、住民アンケートから「警戒レベル5まで避難しない、警戒レベル5でも避難しない」人がいることが明らかになった。
そこで、内閣府が20日から新たな避難指示システムの運用を開始した。
■レベル3以上は市町村長が発出
レベル1とレベル2については、以前と変更点なしで気象庁がだす。レベル3の「高齢者等避難」は、市長村長が災害のおそれがある状況を知らせるもの。高齢者はただちに避難を開始し、高齢者以外の人も必要に応じて普段の行動を見合わせたり、避難の準備をする。
また、危険を感じたら自主的に避難するタイミングでもある。特に急激な水位上昇のおそれがある中小河川沿いや浸水しやすい低い土地、通行止めになり孤立する場所などではレベル3で避難を開始したほうが良い。
■警戒レベル5では上階避難
警戒レベル4「避難指示」では、災害のおそれが高いため、危険な場所から全員避難する必要がある。なお、以前だされていた避難勧告は廃止。
警戒レベル5「緊急安全確保」は災害が発生しているか、切迫した状態にあるため、ここから避難所などに避難することは大変危険。建物の上階に避難が必要だ。
■早め早めの避難を
内閣府は、ハザードマップで土砂災害のおそれがある区域を事前に確認しておくことを推奨。さらに、避難場所に避難する場合にみずから携行するマスク、消毒液、体温計、スリッパなどの準備を呼びかけている。
防災担当は、「警戒レベル4や5は、必ず発令されるものではない。状況によっては警戒レベル3がだされた直後に、災害が発生してしまう可能性も考えられる。そのため、早め早めの避難を行ってほしい」と話す。
変更初日の20日午前9時には、熊本県久玉町、深海町などに、午前10時22分には同県水俣市全域に警戒レベル4「避難指示」がだされた。
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(取材・文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)