愛犬家を狙う新手の詐欺「噛まれ屋」 弁護士は「損害賠償は生じない」と分析

詐欺行為を行う集団「噛まれ屋」が愛犬家を狙っている。この行為をプロのドッグトレーナー、弁護士はどう見たか。

■弁護士の見解は…

佐藤大和弁護士

ツイッターで紹介されたエピソードは、飼い主が触らせることを断っても無理やり犯人グループが触ってきて「噛まれた」と騒ぎ立てるケースだった。法的にはどのようにジャッジされるのか、レイ法律事務所・佐藤大和弁護士に聞いてみた。

佐藤氏は「まず、わざと又は不注意で、他人に損害を与えてしまった場合、その損害について賠償をしなければなりません。もっとも被害者側が、わざと損害を発生させた場合には、被害者側による損害となり、わざと又は不注意で他人に損害を与えたものではないため、損害賠償は生じないことになりますね」と説明する。つまり被害者(犯人グループ)が意図的に”噛まれにきた”ケースでは、慰謝料を支払う義務がないということになる。

前出、富樫氏が挙げた騒動については、「『(犬の)しっぽが当たる』程度は、もちろんその具体的な状況次第ではありますが、基本的には慰謝料が発生するくらいの精神的苦痛ではないといえます」と解説した。


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■「詐欺罪」「恐喝罪」に当たるケースも

では、今回ツイッターで書かれたケースに巻き込まれた場合、飼い主はどう動くべきなのか。

「被害者側が怪我をしたと偽って賠償金等を得れば詐欺罪になりますし、脅迫して賠償金等を得れば恐喝罪になり、立派な犯罪行為です。もっとも、この手口は、わざと被害を起こさせたということが曖昧なうちに、いろいろと責め立てられ、お金を支払ってしまうこともあるため、こういった手口があることを事前に知りつつ、その場でお金を支払ったりせずに、冷静に対応することが大事となります」と佐藤氏。

ここ1年、新型コロナやワクチン接種に絡めた振り込め詐欺が増えている。愛犬を巻きこむ今回の「噛まれ屋」詐欺が広まることなく排除されることを、心から願いたい。

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(取材・文/しらべぇ編集部・キモカメコ 佐藤

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