高齢男性が小学1年から貯金した6000万円を市に匿名寄付 受け取った職員を直撃
「大変な驚きとともに、感極まり、感謝の気持ちで言葉になりません」と横須賀市長。
2021/05/18 20:40
17日午後2時15分頃、横須賀市の市庁舎に70代から80代と見られる男性が市長室がある3Fに突然現れた。対応した秘書課職員に、「中に入った手紙を市長に渡してほしい」とリュックを手渡し、去っていった。しらべぇ取材班はその職員から話を聞いた。
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■折込チラシに包まれた束が
受け取った職員が課に戻り中身を確認すると、折込チラシに包まれた現金の束が入っていたという。驚いた職員は1Fに降りて、市役所周辺で男性を探したが見つからなかった。
最初受け取ったときに、リュックがかなり重かったが、手紙に関係する郷土資料が入っていると職員は思ったそうだ。
■中身を見てとにかく驚いた
職員らで12ある現金の束を確認したところ、500万円づつ、計6,000万円あることが判明。帯封がついているものと、いないものが混じっていたという。
中の手紙には「小学1年生月10円貯金、6年生までに7200円+利息=1000円から初めた貯金です。何かの役に立てて下さい、寄付します。匿名 匿住所で」(全文そのまま掲載)と書かれていた。
市に個人で、これだけ高額の寄付が寄せられたことは初めてだそうだ。受け取った職員は、「中身を見て、とにかく驚いた」と当時を振り返る。
■「言葉にならない」と市長
上地克明市長は「このような大変な時期に、これほどのご厚志をいただき、大変な驚きとともに、感極まり、感謝の気持ちで言葉になりません。同封のお手紙には、小学校1年のときから始めた貯金で、何らかのお役に立ててくださいと記載がありました」とのこと。
また、「このようなお気持ちを持ったかたがいらっしゃることに、この暗い世相の中で、情けの有難さを深く感じ入りました。そのお気持ちを思うと、この浄財をこのような社会情勢の中でどのように使わせていただくべきか、じっくり考えたいと思います」とコメントした。
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(取材・文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)