高校の集団暴行事件で退学処分は1名のみ 加害者の親が教育委員会勤務のためか…
学校のいじめ問題で加害者の親が権力者だったら…。それでも学校側は正しく裁くべきだろう。
アメリカ・ルイジアナ州の高校で、集団による激しい暴行事件が起きた。被害者はあごの骨と肋骨数本を骨折したが、学校が退学処分を下したのは1名のみ。納得できない保護者はその後、ある加害者の家族の勤務先を知って愕然としたという。
考えさせられることが多い事件だと同国メディアの『myfox8』『KLFY-TV』などが伝えている。
■トイレに押し込まれる
いじめの域を完全に超えた傷害事件が起きたのは、ルイジアナ州南部のアイベリア教区にあるウェストゲート高校。モーリシオ・ブラウンくん(17)は複数の男子生徒により校内のトイレに押し込まれ、壮絶な暴力を浴びてあごと肋骨数本を骨折した。
この事件には、トイレにおびき出した者、現場に近づく者がいないか監視した者、録画した者を含め、12人の男子生徒が関与していたとみられている。
■養護教諭は取り合わず
モーリシオくんはその直後に保健室に向かい、顔面や胸部の激しい痛みを訴えた。ところが、ただのけんかだと受け止めたのか、養護教諭はロクに処置もせず彼を帰宅させている。
母親のヤミール・コラレズさんに付き添われ、モーリシオくんは病院へ。そこで深刻なダメージが確認されたが、それを訴えてもなお、事件に対する学校側の対応はそっけないものだった。
■退学処分はわずか1人
その後、モーリシオくんに殴る蹴るの激しい暴力を働いた主犯格の生徒には、退学処分が下った。だが、取り巻きの数名には3日間の停学処分が言い渡されただけで、さらに周囲で監視や録画をしていた生徒は注意のみで済んでいた。
地元メディアの取材に応じたヤミールさんは、「教師に告げ口して事件が公になったことで、息子が加害者の生徒たちに復讐されるのではないかと心配しています」と話している。
■ある加害者の母親が…
また「非常に軽い、甘い処分で納得できない」と話す母親のヤミールさん。他校も含め、過去に起きた同様の事例では、関わったほぼ全員に退学処分が下るのが普通だからだ。
理由を探ってみた彼女は、ある加害者の母親がアイベリア教区の教育委員会に勤務しているという事実を知った。学校のいじめ問題を解決する際、加害者の親に強い立場や権力があると、そちらが優勢に立つことがままある。
ヤミールさんは「学校に任せておいたら、事件をうやむやにされかねませんでした」と憤りをあらわにしている。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)