誕生間もなく両親の虐待が原因で義足に 6歳男児の努力と思いやりを世界が支援

波乱万丈な人生を送ってきた少年。今後もさまざまなことにチャレンジし、素晴らしい話題を届けてほしい。

2021/05/14 09:30

松葉杖・少年
(Photodisc/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

困難な状況を乗り越え、勇敢に行動し、人々に強い影響を与えたイギリス民を称える『プライド・オブ・ブリテン』賞。それを受賞した6歳の男の子が今、世界の大きな注目を集めている。

波乱万丈な人生にもめげず、常に頑張り続ける男の子の勇気あふれる生きざまを、同国のメディア『Mirror』や『Kent Online』などが報じている。


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■生後1ヶ月で虐待を受ける

イギリスの『プライド・オブ・ブリテン』という栄えある賞を受賞したのは、ケント州キングスヒルに住む6歳のトニー・ハッジルくん。トニーくんは生後1ヶ月で実の両親から虐待を受け、かなりの重傷を負った状態で病院へ救急搬送された。

全身の数ヶ所に骨折が確認され、傷が細菌感染を起こし、敗血症を起こしたトニーくんの症状は重かったという。組織が黒く壊死した両脚は、切断を余儀なくされた。

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■トム・ムーア退役大尉に憧れ…

虐待を認めた両親は、有罪判決を受けて投獄。何とか一命を取り留めたトニーくんは、優しい里親に引き取られ、車椅子や松葉杖の生活がスタートした。

リハビリを受けるなか、トニーくんは昨年、100歳にして歩行器で毎日100歩も歩き、医療従事者のため47億円ほどの寄付金を集めることに成功したトム・ムーア退役大尉(今年2月に死去)の偉業に感銘を受けたという。

そして「自分にも何かできるのではないか」と考えたトニーくん。「松葉杖で自宅の庭を毎日100歩」と目標を掲げたチャリティーには世界中から応援の声が届き、続々と寄付が集まった。

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■寄付金は救ってくれた病院へ

最終的にトニーくんは10キロもの距離を歩き、2億2,800万円という多額の寄付金が集まった。すると「命を救ってくれたお礼に」と全額を小児病院に寄付。さらにトニーくんは、ムーアさんが101歳になるはずだった4月30日に、再びチャリティーを開始した。

母親のポーラさん(53)は、「今は義足のみで毎日自宅の庭を歩くことを頑張っています。いずれは、マイケル・ジャクソンのようなムーンウォークに挑戦したいそうです」と嬉しそうに話す。そして4日間で500歩を歩き、約1,060万円を集めている。


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■多くの人々に勇気や励ましを

不遇な時期を乗り越え、心優しい里親のもとでやっと人生が変わったトニーくん。彼は小さな体で世界中の人々にたくさんの勇気、パワー、励ましを与えている。

ただし、ポーラさんには心配事がある。虐待した両親のジョディ・シンプソンとアンソニー・スミスに、来年には仮釈放のチャンスが与えられることだ。

それがトニーくんに不安を与えると考えるポーラさんは、児童虐待者は刑期満了まで仮釈放なしとすること、性犯罪者同様に市民に情報が開示される登録制度を設けることなど、法改正を検討してほしいとして署名活動などを行っている。

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(文/しらべぇ編集部・桜田 ルイ

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