妻の出産直前に脳腫瘍で死亡した夫 会えなかった娘に遺した手紙に世界が号泣

苦しい闘病生活のなか、愛する娘の誕生を心待ちにしていた男性。妻は決して彼を忘れないだろう。

2021/05/13 10:30

手紙・男性
(master1305/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

愛する女性と結婚し、産まれてくる娘と対面する日を心待ちにしていた男性。だが脳腫瘍に冒されていた彼は、娘に会えぬまま天国へと旅立ってしまった。あまりにも悲しい話題を、オーストラリアの『7 NEWS.com.au』や『Yahoo!』などが報じている。


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■ガン診断の翌年に結婚

オーストラリア・ニューサウスウェールズ州セントラルコーストに住むジェイミー・ファーガソンさん。彼女は夫のスコットさんと、約10年間の交際を経て2019年に結婚した。

だが前年の2018年、スコットさんはショッピングの最中に突然倒れ、そのまま病院へ搬送された。医師が下した診断は悪性脳腫瘍の膠芽腫(こうがしゅ)、しかもステージ4だった。その後、二人は病の克服に全力を尽くし、2020年にはジェイミーさんの妊娠も発覚した。

産まれてくる娘を自分の腕に抱く日を楽しみにし、そして励みにして、つらい抗がん剤治療にも耐えてきたスコットさん。だがその願いは叶わず、出産のわずか数週間前に天に召されてしまった。

2回の脳手術、56回の放射線療法、10か月の化学療法、27回の分子標的療法という壮絶な闘病生活。さらに痙攣発作を35回以上も乗り越え、医師が伝えた寿命を、スコットさんははるかに超えていたという。

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■出産は最も悲しい日

4月27日、ジェイミーさんは元気な女の子を出産し、イスラちゃんと命名。「お産の間、スコットさんがずっと寄り添ってくれているように感じた」としている。

だがインスタグラムには、イスラちゃんの写真とともに「人生で一番悲しい日です」と書き添えられた。スコットさんがどれほど娘に会いたかったかを知っているからだ。

そして彼女は、自分の命が出産まで持たないかもしれないと予感したスコットさんが、イスラちゃんのために手紙と動画を用意していたことに触れた。

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■娘に宛てた手紙

「君と会うために、パパは一度もあきらめず治療を一生懸命頑張ったんだ」「パパは天国からいつも君を見守り、誇りに思っているから、いつも自信を持って生きていくんだよ」「みんなと同じように生きる必要なんてないよ。ちゃんと自分の夢を追いかけるんだ」

さらに果たせないと分かっていながら、「君が結婚する時、パパは君の隣をちゃんと歩くからね」とも書き残したスコットさん。この手紙は今、世界中の人々の胸を熱くさせている。


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■クラウドファンディングを開設

出産の喜びもほどほどに、悲しそうな表情を浮かべるジェイミーさんを励まそうと、夫妻の友人がクラウドファンディングにページを開設。そこには「スコットは地獄のような抗がん剤治療を受けながらも、精一杯働いてマイホームを建て、最愛の女性ジェイミーにプロポーズした。

彼が果たせなかったのは、家族とのたくさんの思い出を作るという夢。それをジェイミーとイスラちゃんが叶えてくれますように」と書かれている。世界中から善意の寄付が集まり、現在は3万ドル(日本円にして約330万円)に達しているという。

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(文/しらべぇ編集部・桜田 ルイ

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