スギ薬局会長夫妻にワクチン優先枠便宜 西尾市は「秘書から執拗に要請あった」
スギホールディングス会長は過去にアナフィラキシーを経験しており、ワクチン接種は希望していなかったという。
2021/05/11 18:10
新型コロナウイルスワクチン接種で、愛知県西尾市の近藤芳英副市長がスギ薬局を展開する「スギホールディングス」(愛知県大府市)の創業者夫婦に予約枠を優先確保していたことがわかった。一方でスギホールディングスの秘書が、市に対して執拗に要請を行っていたことが判明。
■担当職員は拒否
しらべぇ編集部が健康福祉部に取材したところ、スギホールディングスの秘書からワクチン予約を担当する健康課に対して、最初に連絡が入ったのは先月12日。会長夫妻のワクチン接種について「4月19日から始まる高齢者入所施設の枠で受けることができないか」との依頼を受けた。
しかし、担当職員が「高齢者入所施設の枠ではできない」と拒否。するとその後、何度も秘書から「なんとかならないか」との依頼が入ったため、課では対応できなくなった。
■話法を変えて要請
健康課は、健康福祉部長に相談し部長は秘書に対して「特別扱いできない」と電話。秘書は、「夫妻は薬剤師であるので、医療従事者の枠で受けることができないか」と話法を変えて相談してきた。
部長は「医療従事者への接種は県が行っており、市には権限がないため無理」と拒否。しかし、秘書は再度「何とかならないか」と電話してきた。部長は、副市長と相談し、今月10日以降に行われる一般接種の枠で配慮することとした。