リゾートマンションの屋上プールが崩壊 地下駐車場が浸水し住民全員が避難に
今後の不安を訴えるテナントの借主。住民からも「手抜き工事か」と批判の声が上がっている。
豪華リゾートマンションの建設ラッシュで注目を集めていた、ブラジル沿岸部のとある地区。ところがその1棟で屋上にあるプールが崩壊した。すべての水が階下に落ちたことを、『News Beezer』『Metro』など海外の多数のメディアが報じている。
■開発が進む沿岸部
大西洋に面したイタパリカ・ビーチに沿ってウォーターフロント開発された、エスピリトサント州グランデヴィトリアのヴィラ・ヴェーリャ地区。各種商業施設やリゾートマンションの建設が進められてきた。
その一角に建ち、白い壁が青空に映えるひときわ豪華なマンション『エド・パラドール・プライア・デ・イタパリカ(Ed. Parador Praia De Itaparica)』で、屋上のプールが崩壊するという事故が起こった。
■ガス爆発の大音響とともに
高層階と中層階からなり、約270人が暮らしているエド・パラドール。中層階の屋上に長さ25メートルのプールが設置され、すべての住民が利用できるようになっていた。
ところが4月22日の夕方、ガス爆発の大音響とともにプールがいきなり崩壊。大量の水が階下に流れ落ち、一帯に瓦礫が散乱した。最終的には地上の歩道と地下の駐車場が浸水したが、怪我人はいないという。
■ガス臭に気づいていた住民
この事故で、マンションの住民が避難を余儀なくされた。また市の消防局の調査が完了するまで、付近のいくつかの施設が利用できない状況となった。
建設に当たったアルゴ(ARGO)社が市の職員と建物の安全に関する検査を行っている間、住民は付近のホテルに滞在し、費用は同社が負担。4月27日には私物を取りに、一度だけ自宅に入ることが許された。
■完成してまだ3年
事故の翌日にはガス管の修理が行われたが、住民は消防当局の聞き取りに「以前からプールを保温する際、強いガス臭が漂っていた」「ガス臭が嫌でプールには近づいていない」などと話している。
ただし、マンションが完成したのはわずか3年前の2018年のこと。アルゴ社はさらなる調査を行うと約束しているが、テナントの借主や住民の一部は「今後にも不安が残る」と訴えており、粗末な工事に対する批判の声が上がっているという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)