誤診を経て想定外の9つ子が誕生 全員が順調に育てば世界新記録に
今後の発育や成長によって、久しぶりに多胎出産の世界記録が塗り替えられる可能性があるという。
多胎妊娠が増加している現代。ほとんどが双子か3つ子だが、驚くことに「9つ子が誕生」という話題が飛び込んできた。 赤ちゃんたちが順調に育てば、これは多胎出産の世界新記録になるという。
『THE SOUHT AFRICAN』に続き、イギリスの『Mirror』など世界のメディアが続々と伝えている。
■大統領介入でモロッコへ搬送
5月4日、ハリマ・シッセさんという25歳の女性が、帝王切開手術を受け、9つ子の赤ちゃん出産したことをマリ政府が発表した。
ハリマさんは3月30日、安全を期すため、設備の整ったモロッコの病院にヘリで空輸されていた。バ・ヌダウ大統領が直々に依頼したといい、分娩の様子や赤ちゃんの詳しい健康状態なども、連絡はすべて政府間でやりとりされている。
■超音波検査で誤診
ハリマさんが術前に受けた超音波検査で、医師は「胎児は7人」と診断。そのため、帝王切開により7人目の赤ちゃんを取りあげて完了と思われたが、子宮にはさらに2人の赤ちゃんがいた。執刀医もこれには大変驚いたという。
誕生したのは女の子が5人と男の子が4人。健康状態に問題がなければ、母子は数週間以内にマリに帰国できそうだという。
■超未熟児も多い多胎出産
世界全般において、滅多に聞くことがない9つ子の話題。過去には2件の記録が残っているが、赤ちゃん9人がそろって健康で育つことは、極めて難しいようだ。
1971年にはオーストラリアの女性が9つ子を出産したが、超低体重児だった赤ちゃん2人が誕生後6日以内に死亡。1999年にはマレーシアの女性が9つ子を出産したが、全員が出生直後に死亡したという。
■世界記録を更新か
多胎妊娠・出産は数の多さだけでなく、すくすくと育って初めて記録として評価される。現時点の世界記録保持者は、アメリカ・カリフォルニア州在住のナディア・スールマンさんだ。
2009年1月にナディアさんが出産した8つ子は、全員が順調に成長。ナディアさんは「アンジェリーナ・ジョリー似のオクトマム(8つ子のママ)」と呼ばれ、リアリティ番組が制作されるなど大きな話題をさらった。
このたび誕生した9人全員が順調に育てば、12年ぶりに多胎出産の世界記録が塗り替えられることになるという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)