古市憲寿氏、五輪反対論の原因を分析 「政府のちぐはぐさに対する不満」
東京五輪開催反対が高まる世論の背景を、社会学者の古市憲寿氏が「ちぐはぐさに対する不満」と冷静に分析した。
社会学者でタレントの古市憲寿氏が、8日に放送された『中居正広のニュースな会』(テレビ朝日系)に出演。コロナ禍での東京五輪開催に反対が渦巻く現状を、「政府のちぐはぐさに対する不満」だと分析した。
■日に日に増す開催反対論
この日は世界的に感染拡大が止まらない現状を踏まえ、東京五輪開催の是非が揺れている現状を大特集。専門家やアメリカ在住者、元女子バレー選手・栗原恵らからリモートで意見を求めていった。
司会の中居正広が「この2~3ヶ月で、感染者が増えました、東京でも医療が逼迫しました、そうなってくるとまた(判断が)変わってきますよね」と仮定を基に水を向けると、古市氏は自身の見解をコメント。
「今、世論としてオリンピック批判の声高まってますけど…でもこれ、本当にオリンピックそのものをみんなが憎んでるってよりも、政府のちぐはぐさに対する不満だと思うんですね」と冷静に世論を分析した。
■五輪が優先されすぎ?
続けて、「映画館も閉める、公園も、駐車場まで閉めるみたいな状況の中で、オリンピックの行事だけはするっていう。そのちぐはぐさを解消して、ちゃんとワクチンも行き渡って、コロナ収束の道筋が立ってっていう段階だったら、オリンピックに対してそこまでみんな(反対しない)」と“不満”の心理を推察。
「あれだけみんな(招致決定時は)喜んでたわけですから。それをうまく、この70何日間で着陸できるかどうかっていうのが、政治の手腕なんでしょうけど」と締めくくり、国民の熱狂を取り戻す政治の役割に期待した。
■「開催できる」は1割以下
ちなみに、しらべぇ編集部がツイッターユーザー対象に調査したところ、「東京五輪は開催できると思う」と答えたのは、全体のわずか9.5%。90.5%が「中止すべき」と回答している。
各世論調査でも反対が圧倒的に多いため、やはり人々が五輪に失望してしまっていることが見て取れる。
招致決定以降、全ての国策の頂点かのように優先されてきた東京五輪。それがワクチン接種や休業問題の不公平さとなって表れた今、古市氏が言うように、不満が出るのは当然と言えるだろう。
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(文/しらべぇ編集部・玉山諒太)