プロレス技で1歳児を死なせたベビーシッター男 「赤い液体を吐いた」と電話相談
需要が多いため、優れたベビーシッターは奪い合いのアメリカ。資質や能力を選べないことが問題になっている。
仕事を離れ、ベビーシッターのアルバイトをしていた24歳の男が、世話をしていた1歳の男児にプロレス技をしかけて死なせるという事件が起きた。アメリカの『FOX6 NOW』『KFOX-TV』などが報じている。
■重傷で死亡した1歳男児
アメリカ・テキサス州のエルパソで今月19日、マーヴィン・レックス・レイクという24歳の男が、傷害致死の容疑で逮捕された。
ある託児所でベビーシッターとして数名の乳幼児を世話するなか、アーレン・ジョシュア・デハートくんという1歳の男児に致命傷を負わせ、死なせた疑いがもたれている。
アーレンくんは病院に運ばれた時点ですでに危篤の状態で、腹部に大きなあざがあったほか、検査により頭蓋骨骨折、脳の損傷、肺の出血が確認された。
■「赤い液体を吐いた」と相談
12日の夕方5時頃、他の子供の母親が我が子の様子を確認しようと、レイク容疑者とビデオ通話をした。その際、奥にアーレンくんの姿が映っていたが、ひどく泣いて不機嫌な様子だった。
その4時間半ほど後、レイク容疑者からその女性に電話が入り、「アーレンくんがぐったりとして、赤い液体を嘔吐した。どうしよう」と相談してきたという。
女性とアーレンくんの母親は託児所へ急いだが、アーレンくんはすでに意識がなく、搬送先のエルパソ小児病院で16日に息を引き取った。医師はただちに通報し、警察はレイク容疑者に事情聴取を行った。
■「プロレス技をかけた」
取り調べに対し、当初は「わからない」と答えていたレイク容疑者。しかし、やがて「アーレンくんに、いくつかのプロレス技をかけた。あるとき手が滑り、逆さまに落ちて頭をベッドフレームに強打した」「枕を引き裂かれてカッとなり腹部を踏みつけた」などと供述した。
さらに、「ただ、頭の負傷はベッドフレームが硬すぎたからだ。ベッドメーカーの責任も追及してほしい」などと訴えたという。レイク容疑者は、地元にある陸軍のフォートブリス駐屯地にいた元兵士。父親は、そこに勤務する現役の陸軍兵だという。
■ベビーシッターのトラブルが頻発
レイク容疑者の身柄はエルパソ郡拘置所に送られたが、託児所に預けられていた他の子供たちにも負傷や虐待の被害がないか、警察の調査が続いている。
託児所でも自宅でも、ベビーシッターは引く手あまたのアメリカ。学生のアルバイトも多く、急な要請にも対応してもらうことから、厳しい審査などないのが現状だ。
だが、こうした事件や事故は全米で頻発している。乳幼児の健康に関する知識、優しさや愛情深さなど、ある程度の審査をと訴える声は増える一方だ。
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(文/しらべぇ編集部・桜田 ルイ)